民族の力を確信

北側経済考察団が南訪問


 朝鮮国家計画委員会の朴南基委員長を団長とする北側経済考察団が、10月26日から11月3日までの日程で南を訪問した。8月に行われた第2回北南経済協力推進委員会の合意に沿って実現したもので、ソウルや地方の各分野の企業を視察、「わが民族の智恵と力を合わせれば、この世にうらやむものも怖いものもないということを確信した」(3日の出発声明)と、成功裏に行われたことをうかがわせた。

総勢18人のメンバー

 考察団のメンバーは朝鮮労働党中央委員会の張成沢第1副部長、金熙澤第1副部長、朴鳳周化学工業相、宋浩京朝鮮アジア太平洋平和委員会副委員長をはじめとする18人。

 10月26日、仁川空港に到着した考察団は「6.15共同宣言の精神に沿って智恵と力を合わせればできないことはない」「6.15共同宣言の精神に合致するよう北南関係をさらに進展させる」との到着声明を発表した。

 同日午後には、ソウルの貿易センターに移動、COEXモール、貿易アカデミーなどの施設を見て回った。

 10月27日にはロッテ製菓工場の見学を皮切りに、昌徳宮や景福宮を参観、ソウル地下鉄3号線にも乗った。午後にはソウルロッテワールドや現代百貨店など娯楽、流通施設を参観した。訪問3日目となる28日には、京畿道水原市の三星電子工場と、SKテレコムネットワーク研究院などを見て回った。

 29日からは地方を参観、考察団は建設中の京釜高速電鉄を試乗、亀尾LG電子などを参観した。30日には大邱市、慶州市、浦項市などを回り、織物染色工場や慶州観光団地、POSCO浦項製鉄所などを視察した。

 31日には現代重工業と現代自動車など5カ所を視察、11月1日にも馬山自由貿易地域管理院、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)から原子炉を受注したトゥサン重工業などを訪ねた。

 2日、考察団は済州島にわたりハンリム公園、西帰浦ワールドカップ競技場などを参観し、すべての日程を終えた。

鋭い質問で驚かす

 訪問中、考察団のメンバーはハードスケジュールをこなしながら、行く先々で専門的かつ鋭い質問を投げかけ、関係者を驚かせた。ある関係者は、「彼らの質問にはその分野の専門的知識がなければできないものが多かった」と考察団の識見の高さを評価した。

 今回の最終訪問地となった済州道内のワールドカップ競技場で考察団のメンバーらは、産業現場を訪れた時とは違い南のガイドと冗談を交わすなど和やかな雰囲気だった。

 「ここが最後の訪問地となるが」との記者の質問に対し、朴団長は「最後ということはない。今後も頻繁に来なければならない」としながら、「われわれは離れて暮らすことのできない一つの民族」と述べた。

 今回の考察団の訪問については、「今回の北側経済考察団の訪問が南北間の相互理解を深めるきっかけになった。われわれ企業人が北を訪問し、(経済協力と関連した)意見を交換する機会ができることを望んでいる」(朴容晟大韓商工会議所会長)、「韓半島が北東アジア経済圏で中心的役割を果たすためには、南北が共に協力を成し遂げなければならない」(辛国煥産業資源部長官)など、南北交流のさらなる発展に大きく寄与するであろうとの期待が寄せられている。

 北側経済考察団は3日に南を出発、インドネシア、シンガポール、マレーシアを訪問し産業施設を20日間見て回り、今月末に平壌に戻る。

日本語版TOPページ