困難な時だからこそ団結して

女性同盟結成55周年神奈川同胞女性の芸術公演


 既報のように、女性同盟結成55周年記念神奈川同胞女性たちの芸術公演「オモニの歌」が10月27日、神奈川県横浜市の神奈川朝鮮文化会館で行われた。

 公演には1世から4世までの地域のオモニ210人が参加、およそ700人が観覧した。

 今公演のため、オモニたちは6月末から練習を始めた。朝・日首脳会談後、一時は公演を中止しようとの声もあがったが、「こんな時だからこそやらなければ」との意見が多く、出演者たちは神奈川朝高に集まり練習を重ねてきた。

 舞台には歌や舞踊、チャンダンノリや漫才など、11の多彩な演目が上がった。

 「序幕オモニの歌」で幕をあげた公演は、民族の悲しみを生き抜いた1世の姿を表した「第1幕涙のアリラン」、1世の思いを受け継いだ2、3世の誇らしい姿を描いた「第2幕われらの誇り」、「第3幕響け祝いのチャンダンよ」「終幕祖国はひとつ」で構成されており、それぞれの世代のオモニたちが熱演した。

 なかでも第1幕では、植民地支配の悲しみから解放の喜びにあふれる1世オモニの姿を描いた地域舞踊愛好家たちの「涙のアリラン」や、1世のオモニたちが出演した独唱「涙に濡れた豆満江」や重唱「他郷暮らし」、合唱「故郷の春」などが舞台に上がり、観客の中には涙ぐむ人もいた。

 またチョゴリファッションショーも好評で、若い男女があでやかなチョゴリを身にまとって登場すると、しきりにフラッシュがたかれ観客から嘆声が漏れた。

 観客の中には、妻の晴れ姿を一目見ようと子どもの手を引いてきたアボジたちや、女性同盟を守ってきた顧問たちのほかにも多くの同胞や学生の姿もあった。

 観客らは演目が終わるごとに、「アンコール!」などと叫びながら惜しみない拍手を送った。

 公演終了後、観客らは「女性パワーのすごさをあらためて感じた。このパワーで難関に打ち勝ってほしい」(金栄蘭さん、51)、「情勢が厳しい中でよくやりぬいたと思う。こんな時だからこそ同胞がそばにいてくれるありがたさ、ぬくもりのようなものを感じた」(李順香さん、53)と感想を述べていた。

 公演実行委員会の全絹枝さん(65)も、「1世から4世のオモニたちが一致団結し、いい舞台にしてくれた。幼い子どもの面倒を見るなど、練習中の苦労は1つや2つではなかったが、こうして無事に終えられたのも出演者全員の努力の賜物」と話した。

 女性同盟の権京愛委員長は、「杖をついたオモニが『自分も治ったらかならず舞台に上がる。今日は素晴らしい公演をありがとう』と言ってくれ、本当にうれしかった。10代から90代の同胞がひとつの舞台に上がるというのは女性同盟ならではのこと。今日を機に総聯や朝青と力を合わせ、同胞のために大きな仕事をしていきたい」と眼を潤ませていた。

 公演は、困難な時こそ団結力で打ち勝ってきた同胞社会の原点をあらためて見せてくれた。

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