みんなの健康Q&A
腸の病気−大腸ガン
食生活の欧米化が増加の原因
Q:大腸ガンは増えているといわれますが?
A:大腸ガンはその発生する部位によって直腸ガンと結腸ガンに分かれます。欧米に多いガンであるといわれていましたが、最近日本においても増加の一途をたどっています。最近は、直腸ガンより結腸ガンが増えてきました。 Q:なぜ、増加しているのでしょうか。 A:大腸ガンの増加の原因としては、日本における食生活の欧米化、つまり動物性脂肪の摂取量の増加と食物繊維の減少があげられています。 Q:日本における大腸ガンの患者数は? A:最近の統計を見ますと1995年の推定罹患数は8万人、99年の死亡者数は3万5000人を超えています。胃ガンは減少傾向ですが、男性の肺ガン、肝ガン、女性の乳ガン、肺ガンと共に増加しています。 Q:どの年齢層に大腸ガンは多いのですか? A:男女とも60歳台が最多であり、次いで50歳台、70歳台、40歳台の順です。 Q:大腸ガンの早期発見のためには? A:早期の大腸ガンはほとんど症状はありません。大腸ガンの検診として公費の補助によって40歳以上の成人には便潜血検査が行われています。 Q:どんな検査ですか? A:専用の容器に便を少しつけて提出すると便の中に便液が混ざっているかどうかを調べる検査です。定期的に受けることをお勧めします。 Q:便潜血検査で大腸ガンはわかりますか? A:いいえ、全くわかる訳ではありません。当然の事ながら出血している病気しかわかりません。とくに平坦な早期ガンなど出血しない事が多く、ある程度大きくなった進行ガンでないと陽性にならないという問題点があります。統計的にも便潜血検査で早期ガンの50%、進行ガンの10%はわからない可能性があるといわれています。また、便潜血検査陽性でも圧倒的多くは痔からの出血なので、陽性の人がガンである確立は約3%程度といわれています。 Q:便潜血で陽性と出たら? A:痔でも陽性になりますので直ちに悪い病気と心配する必要はありません。しかし、すみやかに精密検査を行うべきです。もう一度便潜血検査を行うのは無意味です。 Q:どんな検査がありますか? A:もっとも正確な検査は大腸の内視鏡です。バリウムによる注腸透視(レントゲン検査)は、正確性の点で少し弱点があります。大腸ガンは直腸か、直腸に近いS状結腸にできやすいのですが、ここがレントゲン検査でわかりにくいのです。 Q:大腸の内視鏡とは? A:平坦型大腸ガンを確実に見つけ、治療(ポリープ切除)も同時に行う内視鏡が、現代の大腸ガン検診の主役となっています。2リットルの下剤を施行前に服用し、腸の中をきれいにしなければなりません。これが、この検査のもっとも苦しい点です。 Q:血便を見たらガンの可能性が高いでしょうか? A:血便は痔からの出血が多いわけですが、直腸からの出血もあります。痔があって便の表面に血が付着している時、「痔だろう…」と決め付けずに大腸内視鏡の検査を受ける事をおすすめします。血便はその他に下痢、腹痛、発熱を伴う細菌性の腸炎やクローン病、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、大腸を養っている血管がつまる虚血性大腸炎、大腸けいしつなど大腸の病気に多く見られる症状です。読者のみなさんも時々、排便後の便をチェックし、血液が混じっているようであれば、病院へ行き、検査を行うようにして下さい。(大阪市生野区勝山南4―16―10、TEL 06・6718・2221) |