おぎオンマの子育て日記

ウンチのはなし


 私は鼻が利く。文字通りの意味である。ミリョンを妊娠するまで、サンホを保育所に預けて、働いていた。「今日は熱が出ると思います」と言って預ける。夕方、迎えに行くと保育士に「サンホ君のオンマ、大当たり!」と賞賛されることが何度もあった。朝、オムツを替えるときの、おしっこの匂いで熱の出る気配を察していた。

 先日、ミリョンの冬支度のため、大型ベビー用品店に行った。ミリョンを抱いて、タイツを選んでいた。振り返るとサンホがいない。正面の大きな自動ドアを、出て行くのが見えた。あわてて追いかけると、ドアを出て5、6歩のところで立ち止まり、ズボンを下ろして立ちションベンを始めた。白いおしりも丸見えだ。ランチ帰りらしきママ軍団の、冷たい視線のおかげで、こみ上げるばか笑いをこらえることができた。排泄の中途半端な自立期は、オムツの頃よりも、困ることが多い。

 サンホは毎晩おねしょをするが、パンツ型オムツと自尊心は、サンホとオンマの間に、ちょっとした確執をもたらす。いつの間にか、匂いは関心の外にある。意識の上で、排泄の自立ができたかどうかは、「おしっこダンス」が目安になると思う。股をすぼめ、くねくねと動くあれである。このダンスをしだすと、あとは技術的な問題だけだ。チユニは今でも、これを踊る。踊りながら「今、おしっこしたくないけど、前もって行っとくねん」と、決まって言う。

 今日、アッパがサンホのウンチの色を見て、体調の心配をしていた。チユニの新生児期、ウンチの時は、臭いからオムツを替えられないと言ったアッパに、「私には鼻がついてないのか」と腹を立てた日も、今はもう遠い。そして、ミリョンのウンチが最も臭いというのが、夫婦の共通認識となっている。

アッパのひとこと

伯母ばか…

 先日、姉が私の顔をまじまじと眺めた末に言った言葉が「あんた、誰かとよう似てると思ったらミリョンそっくりやんか」である。それは逆やろ! 子供たちをまるで自分の孫のように可愛がってくれるわが姉は親ばかならぬ伯母ばかである。感謝。

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