それぞれの四季

ネイティブなウリマルを

「啓先


 先日「ハングル能力検定試験」を受けた。

 私が受けた準1級の試験は、スピーチ、通訳が出来るレベルだそうだ。

 まだ結果は出ていないが、なかなか難しかった。特に聞き取り・書き取り試験は、早すぎて何を言っているのかはっきり聞き取れなかった。

 常日頃から「在日朝鮮語」ではなく、ネイティブな朝鮮語を話せるようになりたいと思っていたが、子供が生まれてからその気持ちはいっそう強くなった。どこに居ても朝鮮人として立派に生きて欲しい。そのためにはウリマルをしっかり身に付けなくてはならない…。

 この気持ちこそ、ウリハラボジ、ハルモニたちが日本に渡ってきて苦労に苦労を重ねながらも、ウリハッキョを守ってきたその気持ちなのではないだろうか。

 最近ネイティブと話す機会があった。喜び勇んでウリマルで話しかけた。しばらくすると相手が流暢な日本語に切り替えてきた。かなりショックだった。

 一体私は何者なのか。

 日本で生まれ育ってもウリハッキョに通い、民族教育を受けてきたにもかかわらず、同じ民族の人と民族の言葉でコミュニケーションを取れないなんてとても恥ずかしい。

 「パンチョッパリ(半分日本人)」と言われても仕方が無いのか…」。言葉は民族の証である。この言葉を肝に銘じ、朝鮮人が朝鮮人であるために、私が私らしくあるために、ウリマルを完璧にマスターしよう。

 「お母さん」でもなく、「ママ」でもなく、「オンマ」と呼ばれる喜びを噛み締めつつ、「ハンメ」と呼ばれるその日まで、ウリマルを大切に守っていこうと思う。(主婦)

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