春・夏・秋・冬

 14日、平壌に初雪が降ったと、本紙特派員が写真とともに伝えてきた。朝の気温はマイナス5度以下にもなるそうだ。地域によってはマイナス20度以下にまで冷え込む朝鮮の冬。それだけに、来月から重油提供を凍結させるとした朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の発表にはやり切れない思いだ。飢えと寒さを、お年寄りや子どもにどうやってしのげというのだろう

▼先ごろ訪朝した世界食糧計画(WFP)のジェームス・モリス事務局長は北京で記者会見し、支援国からの援助が不足しているため北での人道援助計画の一部を中止せざるを得ないと説明しながら援助の強化を呼びかけた。WFPではすでに9月から段階的に配給を停止せざるを得なくなっている。子どもや老人、患者や障害者、妊婦たちに配っていた食糧である

▼国連食糧農業機関(FAO)との共同調査団が発表した最新の報告によると、今年から来年にかけて108万4000トンの穀物が不足するそうだ

▼そんな中、アフリカやアジアの子どもたちに食糧支援を行っているNGO団体「マザーランド・アカデミー」では、群馬県内の田んぼでとれた450キロ分の稲を今月末に朝鮮に届けるという。「朝鮮の人々への人道的支援」を口にするだけで「国賊」呼ばわりされかねない状況下で、ありがたい話である。政治とは関係なく、このような人道支援の輪が少しずつでも広がっていけばと思う

▼前述の報告は、「来るべき年に640万人の弱者のための51万2000トンの食糧援助を動員するよう勧告する」と呼びかけている。(聖)

日本語版TOPページ