いきいき健康

「真の民族愛を次世代に」

書芸に情熱注ぐ  東京都 鄭然鋎さん(56)


 鄭然鋎氏(78)の「掛軸と表装作品展示会」が10月19日から22日まで東京都内で開かれた。

 鄭さんによる作品展は99年、2000年に次いで3回目。力強く覇気のある170余点の書画は、朝鮮3国時代から現代に至る愛国者たちの残した格言や名文などを描いたもので、訪れた多くの人たちの目を楽しませた。

 鄭さんは78歳。都内の6つの朝鮮学校の教員、第9朝鮮学校の校長を経た後、総聯の活動家として働き71歳で退職。その後、本格的に書画に打ち込み、掛軸を専門家に7年間学んだ情熱家である。

 「私は作品の中で、われわれの先祖たちが、祖国を守るためにどのように闘ってきたか、彼らの祖国愛、民族愛、郷土愛とはどんなものなのかを描いている。侵略者との対決で発揮された彼らの闘志、勇敢さはどんなに時代が変わろうとも心に刻むべきものであります。その珠玉の言葉を在日同胞社会、とりわけ若い世代にできるだけ分かりやすい形で紹介できればと思ったのです」

 鄭さんは18歳まで故郷の咸境南道(現在は江原道)文川市で暮らし、幼い日にハラボジから書画を習った。仕事をしている時は筆をとる余裕もなかったが、退職した途端、昔深く体に染み込んでいたものがよみがえってきたと言う。

 今では分会で毎週1回書画講座を開き、講師としてはつらつと受講生たちに教える日々。さらに新しく水墨画を習い始めたり掛軸作りにも追われて、休む暇もない多忙な毎日を送っている。

 作品展を覗いたある同胞は「気力、精神力ともに充実していて、とても80歳近い人とは思えない力強い筆致に感嘆した。男性は一線を退くとガクッと来る人が多いが、立派な趣味を持ち、同胞社会に新たな貢献をしている姿を見ると、いつまでもお元気で活躍していただきたい、と応援したくなる」と語っていた。(粉)

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