課題実現へ初の試み
東京・日朝友好促進区議連絡会が東京朝高参観
今年4月に結成された東京都下の日朝友好促進区議会議員連絡会が主催する東京朝鮮中高級学校(北区)の授業参観が11月30日に行われ、区議員ら30人が同校を訪れた。
豊島、中野、葛飾、足立、品川、大田、新宿、北の8つの区議会の日朝友好促進議員連盟によって結成された同連絡会は、目標を共有する議員同士の連帯を深め、その輪を広げようというもので、今まで2度にわたって訪朝団を送ってきた。朝鮮学校の権利拡充にも取り組んでいるが、区議自身が民族教育の現状を知ろうと授業参観を初めて企画した。
授業参観に先立ち、まず同校の具大石校長があいさつ。学校の沿革について語った。日本の植民地支配によって言葉や文化を根こそぎ奪われた悔しさを2度と味わせまいとの思いから、同胞1世が民族教育を始めた朝鮮学校の原点に触れ、2万6000人の卒業生が同胞社会の発展に貢献する一方、日本社会にも広く進出していると述べた。また、日本人拉致事件について、「生徒たちには絶対にあってはならないことだと教えている。友好、親善が一番の安全保障。生徒たちに正しい事実を教え、自分の頭で物事を判断できる人材に育てることで北東アジアの平和を築いていきたい」と語った。 9.17(朝・日首脳会談)以降、都内でも朝鮮学校児童、生徒たちに対する暴言・暴力が80件近く起きていることや、日本政府が朝鮮学校を各種学校の枠に押し込めていることから、保護者の寄付金が損金として認められず、国庫助成もないため、厳しい運営を強いられていることについても言及した。 続いてビデオ「ハッキョ」を鑑賞した後、議員らは高1から高3までの授業を見て回った。初めて朝鮮学校に足を踏み入れた議員も多く、「日本語の授業で森鴎外の『高瀬舟』を扱っていたのでびっくりした。日本の学校に近い内容を教えていることを初めて知った」(鈴木なおひろ・葛飾区議会議員)と認識を新たにした様子だった。 授業参観後、生徒たちによる芸術公演が行われ、吹奏楽合奏「アリラン」、女性重唱「カントリーロード」、舞踊「五太鼓と銅鑼の舞」などが上演された。 公演終了後、舞台に立った代表世話人の江口済三郎・中野区議は、「拉致問題で厳しい状況だが、日朝の国交正常化実現、皆さんの願いである南北統一の支援のため頑張りたい」と生徒たちに激励の言葉を送った。 9.17以降、結成25周年を迎える「荒川日朝婦人の集い」のメンバーと拉致事件をどう受け止めるかについて話し合いを続けている斎藤ゆうこ・荒川区議会議員。「東京23区の中でも荒川区は朝鮮学校保護者に対する補助金が少ない。保護者の切実な訴えを実現しなければ。議会の中でもさまざまな意見があるので、問題を解決することは簡単ではないが、じっくり取り組んでいきたい」と抱負を語っていた。 |