民族教育権 우리의 힘으로(われわれのちからで)

署名運動の現場から・愛知

小泉首相に言いたいこと

劉明愛(東春初中オモニ会副会長)


 毎日のように拉致事件に関する報道が流れるなか、びっくりすることがあった。

 10月、東春初中に通う初6の息子が町内会のお祭りに「朝鮮学校に行っているから」との理由で参加を拒否されたのだ。もう何年も参加しているお祭り。息子にとってはお菓子をもらえる毎年恒例のもので楽しみにしていた。これほど、日本の排外主義は根の深いものなのか。あきれて言葉も出なかった。

 現在の日本の状況からしても民族教育への理解、朝鮮学校の処遇改善を実現するにはまだまだ時間がかかると思う。朝鮮学校が差別を受けていることを多くの日本人は知らないと思い知らされた署名運動だった。

 朝鮮学校を各種学校の枠に押し込める「制度の壁」が崩されないのは日本市民の考え方が変わらず、その多くが差別の現実を知らないから。長い時間と意気込みが必要だと思っている。子どもが学校に通っている間に実現すればいいが、孫の代まで根気よく取り組む問題だと思っている。一方的な報道が在日朝鮮人の生活を脅かし、われわれの声がかき消されそうな昨今、誰かが立ち上がらないと突破口は開かない。

 岐阜・土岐市に住んでいるが、5年前、2人の息子が通っていた東濃初中が東春初中と統合した。今も東濃地域の保護者たちは学校をなくした悲しみを二度と味わうまいと、東春地域の保護者たちと手を取り合い、必死の思いで学校を支えている。

 先日もJR多治見、高蔵寺の駅前で街頭署名をしたが、協力してくれる人たちの気持ちに目頭が熱くなった。とくに子どもを学校に送っている日本の保護者たちが協力的で、「そんな差別があるの」とびっくりしていた。この人たちの気持ちを大事にしたい。

 近々、愛知県下で集めた10万人分の署名を文部科学省に提出に行くというが、小泉首相に言いたいことは日本人の子どもたちと同等の権利を保障して欲しいということ。子どもたちの選択肢を狭める権利は誰にもないはずだ。ましてや私たちは税金も納め、日本社会のルールをきちんと守っている。文科省に行く代表に託したいことだ。

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