それぞれの四季

親身になってこそ

李幸子


 朝・日首脳会談の実現によって、両国の新時代が幕開けするものとばかり思っていたが、拉致問題の憤りが在日同胞や朝鮮学校の子供たちに向けられ、嫌がらせが続き、とても残念だ。

 そのためか、夜眠れなくなり、体調もこのところよくない。朝・日のゆがんだ関係は、日本による朝鮮侵略と植民地支配によって生まれたものだ。日本のメディアが拉致問題で朝鮮叩きばかりして、日本の過去について何にも言及しないでいるのは、納得がいかない。

 今年は女性同盟結成55周年。女性は歴史の中で、逆境に強く偉大な力を発揮してきたと思う。過去、女性同盟の八幡支部の活動家たちは、みな無学であったが、熱い情熱と強い愛国心で苦難に立ち向かっていったものだった。それをみながら、同胞たちは勇気づけられ、励まされてきた。今、活動家たちも若返り、世代交代の波がこの地域にも押し寄せている。厳しい状況はおそらく解放後初めてといっていいくらいかも知れない。

 若い世代が初めて体験する異常なほどの反朝鮮の空気が、日本列島を覆い尽くしている。こんな時ほど、同胞同士、お互いを思いやり、くじけず、状況を打開していくしかないと思う。

 八幡では遠くから嫁いできた女性や引っ越してきた人がいれば、すぐ飛んでいくようにしている。子供がいる家にはウリハッキョが近くにあることを教え、何か不自由していないか、心配ごとはないか、親身になって相談にのるようにしている。愛国運動の原点は結局、同胞同士のこんな温もりのある関係を築くことではないだろうか。(主婦)

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