強制労働の証言集出版
「茨城県在日同胞証言収集委員会」
「民族心さえあればみんなの心をひとつにまとめるのに何の問題もない。そこに同胞たちの真の幸せがあると思う。これは若い世代も1世も同じだ」(金武男氏・77)
総聯茨城県本部が中心となって、郷土史研究家や弁護士などで組織された「県在日同胞証言収集委員会」がこのほど、強制連行・強制労働を体験した1世たちの証言をまとめた「亡国の恨(はん)は永遠に消えず〜茨城県在日同胞の証言」を出版した。 証言集には、県下在住の10人の証言が収められており、当時の過酷な状況が生々しく語られている。 「木造の板張りの部屋に30人くらいがせんべい布団に寝かされ、まだ薄暗い早朝に起こされて暗くなるまでトロッコで土を運ぶという埋め立て土木工事です。食べものは大豆と麦飯ではじめはとても喉を通りませんでしたが、生きるためには口にするしかありませんでした」(崔炳駿氏・75) 「1日3交替の危険な重労働で、朝7時から夕方5時まで働かされました。宿舎はひとつの部屋に7〜8人が詰め込まれる状態で、食事は麦飯にタクアン、時々海苔づけが出るだけでした。 休みの日の外出は禁止されていましたが、島内に限った外出は許可されることがありました。日常生活は徹底的に監視・統制されていました。逃亡者を出さないように、日本人の監督らが毎日目を光らせていました」(朴鐘大氏・76) 今回集めた証言は、来年6月に刊行される「朝鮮人強制連行調査の記録・関東編2」にも掲載される予定。 問い合わせ=同委員会 TEL 029・241・3311 |