民族教育権 우리의 힘으로(われわれのちからで)

署名運動の現場から・広島

未来築く「信念」磨こう

金正順(広島初中高オモニ会会長)


 日本で私たちが在日朝鮮人として生きる道は朝鮮学校を守ることしかないと思っている。学校を守ることを真剣に考えなければ、われわれトンポに未来はない。

 9.17(朝・日首脳会談)以降、広島朝鮮初中高級学校の生徒がJR西広島駅で日本の高校生に頭をぶたれるなど広島でも嫌がらせや脅迫電話が相次いでいる。

 9月末、保護者の方とともに県の国際交流課長に会い、再発防止を求めた。課長はJRに通知を出したり、何か問題があった場合「子ども110番」のステッカーが貼ってある家やタクシーに駆け込んでくれとアドバイスをくれた。

 朝鮮学校を差別する日本政府や自治体に対しては怒りもある。しかし、課長と話しながら思ったことは、行政も朝鮮学校を守るパートナーとして付き合っていかなければならないし、そうできるということ。対話を通じて生まれるものがあると感じた。

 今広島初中高は、地域に根ざした学校を目指し、さまざまな取り組みを試みている。9月から地域住民を対象にしたカルチャースクールを開講した。教員や地域の同胞が朝鮮語、コンピューター、エアロビクスなどの講座を担当し、日本市民と触れ合っている。

 拉致事件とそれに端を発した朝鮮バッシングの余波は今後もさまざまな形で出てくるだろう。しかし、何か問題が起きた時に私たちを助けてくれ、守ってくれる友人をわれわれはどれほど持っているだろうか。その点、オモニ会の活動は内向きだった。この反省に立ち、来年からは近隣の日本学校のPTA、保護者の方との交流を進め学校を支える輪≠広げていきたい。

 広島で集めた署名は来春までにも、文部科学省に提出されるという。今は日本学校の教職員らが中心となっているが、今後同胞たちにも参加を呼びかけたい。

 心の中で思っていても、それを人に伝えなければ現実は変わらない。そのような意味では署名は行政や国に私たちの意見を訴える一つの手段だが、もっと大事なことがあると思う。

 なぜウリハッキョが大事なのか。子どもたちの未来をどう築いていくのか。それを朝鮮学校の存在すら知らない人にどう伝えるのか。その気持ち、信念を確かめ、磨いていくわれわれ自身のための運動だと思っている。(おわり)

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