「日本市民の協力温もり感じた」
広島初中高で第7回学園祭
広島朝鮮初中高級学校(広島市)で11月23日、第7回学園祭「われらはひとつ!」が行われ、同胞と日本市民ら1200人が参加し、交流を深めた。児童・生徒らが主体となった手作りの行事。近隣の日本市民に参加を呼びかけたり、朝鮮料理の売店や芸術公演を準備するなど日本市民を迎え入れるため、力を注いだ。
過去最高
来年中等教育実施50周年を迎える同校は、9月に近隣の住民を対象にしたカルチャースクールを開講するなど地域に根ざした学校作りに取り組んでいる。学園祭もその一環で例年より念入りに準備を進めた。1200人の参加者は過去最高だ。 学園祭では、同校の初級部児童や舞踊部、日本学校に通う同胞生徒の集まりである日高学生会による芸術公演、アカペラ大会が行われた。抽選会に続き全校生で「われらはひとつ」を合唱。統一への熱い思いを歌い上げた。 また、校内には広島における民族教育の歴史を伝える写真展や民俗遊びコーナー、トックやチヂミなどの出店も設けられた。 国際学院高、桜ヶ丘高、広島大付属高、安芸高など日ごろ交流のある日本学校の生徒も参加し、アカペラ大会に友情出演した。国際学院高では広島初中高の教師が朝鮮語の授業を受け持っており、同校の隣にある桜ヶ丘高は生徒会や部活間の交流が、安芸高とは朝鮮問題研究会を通じた取り組みがある。 日本の高校生も
学園祭は児童、生徒たちらが主体となって取り組んだ。近隣の住民にビラを配ったり、100戸の家庭を訪ね「ぜひ来て」と積極的にアピールした。パンフレットの広告(一口2000円)を集めるため、100を超える飲食店を訪ね、20万円の収入も得た。その過程では「朝鮮学校は大変ななかがんばっとるけ、去年は2000円だったら、今年は4000円協力させてもらう」などと激励の言葉をかけてくれる人もいたという。広告収入は野外用の組み立て式舞台と放送機材の購入に充てられる。 高3の洪直樹さんは、「いろんな人と接する過程で人の温かさや厳しさを知った。当日、パンフレットを見て喜んでいた人たちを見ていると今までの苦労が報われたと実感したし、これからもいろんなイベントを組んで私たちの姿をたくさんの人に見てほしいと思った」と手ごたえを感じていた。 ほかにも、「たくさんの同胞、日本の人々が集まってくれて本当にうれしかった」(高3の李明恵さん)、「私たちを取り巻く情勢は厳しいけど、ふれあいを通じて私たちを少しでも理解してもらえたなら」(高3の朴和美さん)などと生徒たちは前向きな答えをつかみとったようだった。【広島初中高】 |