「視野広げ日朝考えよう」
投書にみる日本市民の声
洪水報道は「精神的テロ」
拉致問題で「一億総検察官化」している日本。メディアでも一方的にこの問題を朝鮮バッシングの格好の材料にして、朝鮮の政治から暮らしまでを嘲笑し、罵倒する悪質な論調や番組が目立つ。そんな中、メディアのあり方を厳しく非難する本紙への日本人による投書が急増している。 東京都内の家事手伝い・小泉順子さんは「平壌宣言では、拉致だけしか話されていないのでしょうか」と訴え、「今、多くの人たちがそういう錯覚に陥っているような気がする。どうして日本のメディアが拉致しか取り上げないのか不思議だ」と感じている。そのうえで「小泉総理が約束した平壌宣言は、片手で握手して写真を撮ってすべてではない。これからの日朝関係を左右する大切な内容が含まれているのに、なぜ、国民に拉致以外のことを知らせようとしないのか」と憤慨する。 小泉さんは「今、日本や日本人に欠けているのは、冷静に、視野を広げて見ることだ」と強調。さらに「日本で暮らしている在日の人たちにまで嫌がらせをして、差別し、苦痛を強いている」と指摘し、「日本は物質的には他の国々より今のところは恵まれているかも知れない、でも精神はゆがんでいる。ゆがんでいるからこんな報道がなされる。このような報道は『精神的テロ』である」とも。 「嫌がらせに負けるな」 また、北海道の栗山佳子さんは札幌にある北海道朝鮮初中高級学校に手紙を寄せた。「つらい日々でしょうけど忍んで下さい。失礼な日本人がいることを聞き、心配しております」と始まる一文は、「43年、ソウルで朝鮮女性が日本軍に連れ去られた日のことを鮮やかに覚えている」という衝撃的な事実を明らかにしながら、次のように指摘した。 「(連れ去られた女性の)父親から頼まれた私の父・橋本国松は日本軍に2人で乗り込み、連れ戻しました。その頃の父は畳に頭をすりつけて泣いていました。同じことが繰り返され、助けたのは5人だけ、後は分からないままでとてもつらい悲しい思いを忍ぶ家族の方々を知っています」 そのうえで、栗山さんは同じ思いを両国がこれ以上繰り返さないために日本人に今、耐えることを会う人ごとにすすめる毎日だと言う。「同じアジア人として互いに世界的な視野に立つことが今一番大切なこと」だと呼びかけている。 その他、アメリカに住む今野慎介さんからも「嫌がらせに負けないで頑張って下さい」というエールが寄せられた。 |