金剛山歌劇団全州公演

優れた技術、芸術性―市民ら4700人が観覧


「また逢いましょう」とフィナーレで客席に手を振る歌劇団員たち
 釜山、全州を舞台に行われた2回目の金剛山歌劇団南朝鮮公演が終了した。6日から8日、全羅北道全州市・全北大学サムソン文化会館での全州公演では、釜山公演(2〜4日)同様、観客たちが、「希望の道」「鳥のように」「民謡メドレー」「農楽舞」など華やかな舞台に惜しみない拍手を送った。金道宗圓光大学校教授(哲学博士)、チョン・キョンヒ全州芸術高等学校教員、カン・キョンウォン全州市文化施設全州工芸品展示館事務局長、キム・テギョン全羅北道立国楽院公演企画室員、パク・ミヒョン全州世界音の祝祭公演企画部員、ノレグループ「ウリナラ」、「統一の花」林秀卿さんほか、市民ら約4700人が観覧した。

 金道宗教授は「公演は、民族性とリアリズムを現代的に組み合わせたすばらしいものだった。団員ひとりひとりの技量が優れているうえに、群舞や合唱の際、全体的にうまく調和していることに感動した」と話した。

 また、チョン・キョンヒ教員は「日本の地で民族教育を実施することはとても大変なことだと思う。そうした厳しい環境の中で民族の伝統、芸術を守り発展させてきたことは本当に驚くべきことだ。自国で学び育つ私たちとは違って、彼らが異国の地で、民族に触れる機会の少ない環境の中でこのようにすばらしい芸術を作り上げてきたことは何ものにも代えがたい」と称えた。

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拍手を送る全州市民

林秀卿さん親子の姿も

 会場には、9月に行われた「在日本朝鮮学生芸術団」の公演を観覧した全州市内の学生たちの姿もたくさん見られた。

 全州芸術高等学校1年、キム・テウォン君は、「舞踊を専攻しているので舞踊作品を興味深く観たが、主に『恨』を表した南の作品とは違って、金剛山歌劇団の舞踊は技術的にとても優れ、芸術性も非常に高いと思った。特に印象深かったのは、『チャンゴの舞い』と『長剣舞』だった」と話した。

 また、全州芸術中学校1年のクッ・スラさんは、「南の舞踊とは違って、すごく現代的なのでびっくりした。歌声もうぐいすのようで新鮮だった。私たちもいつになったらあんなふうに踊れるようになるのかなあと思った。そのためにはもっと一生懸命練習しなくては」と語り、キム・スギョンさんは「本当にすばらしかった! 前の方で見たので表情もすごく良く見えた。統一したら私もあの踊りを一緒に踊ってみたいと思った」と興奮気味だった。

 キム・テギョンさんは「幻灯機を使って背景を映し出す技術を見て驚いた」「このように幻想的な背景を映し出す技術を金剛山歌劇団が持っていることを、同じ民族として誇りに思う」と語った。

 ソウルの光化門交差点で行われた「米軍装甲車の犠牲になった女子中学生追悼ろうそく集会」に2万人の市民たちと共に参加して、街頭コンサートを行ったその足で全州に駆けつけたノレグループ「ウリナラ」のチ・ジョンファンさんは、「金剛山歌劇団の公演をはじめて見たが、とても感動しました!」と、日本で民族心を守り、民族の芸術を輝かせている歌劇団員たちに熱いエールを送った。

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 南朝鮮大統領選挙を10日後に控えて幕を降ろした今回の金剛山歌劇団の南朝鮮公演は、その準備段階から多くの紆余曲折絵を経て実現したものだった。

 厳しい状況のもと、公演のPRを充分にできず、全公演を満席にするまでには至らなかったが、劇場を訪れた観客たちの多くは民族性あふれる金剛山歌劇団の艶やかな舞台に魅せられていた。そして、異国の地で民族の心を守り、民族の芸術を輝かせていく歌劇団員らの姿に涙を流しながら賛辞を送った。

 舞台と観客席がひとつになり、ともに胸のうちに熱くたぎる統一への思いを確認した公演。団員たちも市民たちも、こうした出会いが今後は珍しい事ではなくなることを切に願っているようだった。=関連記事(金潤順記者)

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