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被爆者援護法の適用を

大阪高裁で勝訴の郭貴勲さん、日本政府、大阪府に控訴断念求める

 広島で被爆した南朝鮮在住の郭貴勲さん(78)が、離日すると被爆者援護法に基づく健康管理手当が打ち切られるのは違法だと訴えた訴訟の控訴審判決が5日、大阪高裁で言い渡された。根本真裁判長は「国外に出ることで法の適用対象から外れ、被爆者の地位を失うとする国側の解釈は認められない」として日本政府と大阪府の控訴を棄却した。現在在外被爆者は、朝鮮半島の南に2100人、北に約1000人、米国に1000人、中南米に160人いるが、厚生労働省が設けた一本の通達によって同法の対象外となっている。郭さんと支援者は日本政府と大阪府に控訴断念を求めており、大阪府知事は上告しない方向で厚生労働省と協議する意向を示している。11、12日に開かれた衆・参院厚生労働委員会の質疑でも与野党の8人の委員が坂口力厚労相に上告断念を求めた。上告期限は19日。

日弁連勧告で報告集会

 栃木県・足尾銅山に連行され強制労働に従事させられた鄭雲模さん(千葉市在住)の人権救済申し立てに対して、日本弁護士連合会が小泉首相と古河機械金属株式会社に勧告を行ったことと関連し6日、千葉県教育会館で報告集会が行われた。主催は強制連行千葉調査団。

 主催者を代表して日本人側団長の渡辺隆氏があいさつした後、勧告書の作成責任者である床井茂弁護士が経過について報告した。床井氏は、「日弁連に所属した全弁護士の一致した見解が集約されている」と強調。鄭さんは、「調査団を結成して10余年間支援してくれた各界各層関係者の努力によって今日を迎えられ感無量」と語り、朝・日国交正常化と友好親善のために全力を尽くす意思を表明した。

 集会では、小泉首相に送る申入書、「勧告の受け入れと、すみやかな人権回復の実施を求める決議文」が採択された。【千葉支部】

核監視カメラ撤去を

朝鮮原子力総局長、IAEAに要求

 李済善・朝鮮原子力総局総局長は14日、国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長に書簡を送り、凍結された朝鮮のすべての核施設に対する封印を解き、監視カメラを1日も早く撤去するよう当該の措置を取ることを求め、次のように指摘した。

 われわれは、朝米基本合意文に沿って年間50万dの重油提供を前提にして取った核施設などに対する凍結を解除し、電力生産に必要な施設を正常稼動させるようにした。

 これは、朝米基本合意文の同時行動措置に反して合意事項が米国によってすべて破棄されたことに対処して取られた正当な対応措置である。

 われわれは、朝米基本合意文に従って核施設などを凍結したのであって、IAEAとの合意や保障措置協定によったものではない。

 われわれの核凍結解除問題は、IAEAの活動範囲をはるかに超えたものであって、米国から自主権と生存権を守るための深刻な特別措置である。

 もしも、IAEAがわれわれの要求を実現するための措置を至急に取らなければ、われわれは一方的に必要な措置を講じざるをえない。(朝鮮通信)

核施設稼動「南朝鮮に脅威とはならない」

 祖国平和統一委員会スポークスマンは15日、談話を発表し、今回の電力生産のための核施設稼動と建設の再開措置は、南朝鮮には脅威にはならず、逆に北で電力問題の空白状態が解決されれば南朝鮮人民にとっても同族として好ましいことであって、悪いことは何もないと指摘。共存・共栄・共利の見地からも支持し共感すべき問題であると訴えた。

 また、米国は故意に朝鮮半島情勢を緊張させながら反米感情を抑え北南間にくさびを打ち込み、北南関係を凍結させようとしていると指摘。南朝鮮人民がこれに警戒し、糾弾の矛先を当然、米国に向けるよう強調した。(朝鮮通信)

朝鮮労働党、ANC大会に祝電

 朝鮮労働党中央委員会は15日、南アフリカ・アフリカ民族会議(ANC)第51回大会に祝電を送った。

 祝電は、朝鮮労働党とANC間の友好・協力関係が自主、平和、親善の理念に基づいて強化発展するものと信じると指摘。今大会で大きな成果があるよう心から願った。
(朝鮮通信)

「ブッシュ謝罪、SOFA改定」

ソウルで市民らが反米集会

 米軍装甲車によってれき殺された女子中学生を追悼する大規模集会が14日、ソウル市庁前をはじめとする60余の地域と米国、ドイツ、オーストラリアなど12カ国、16の地域で行われた。

 「米軍装甲車による女子中学生殺人事件汎国民対策委員会」(汎対委)主催で、ソウル市庁前で行われた「主権回復の日、10万汎国民平和大行進」の集会では、「不平等なSOFA(韓米地位協定)改定国民行動」の常任代表である文正鉉神父の開会の辞、韓相烈訪米闘争団団長の報告やアーティストたちの公演と支持発言などが行われた。

 韓団長は、「訪米闘争団に深い関心を寄せていただき感謝している」とあいさつし、ブッシュ大統領の謝罪とSOFAの全面改定を要求した。

 集会には、米軍射爆場からの誤射、誤爆などによって被害を被ってきた梅香里の住民50余人と、朝鮮戦争当時米軍による虐殺が行われた老斤里の住民なども参加した。

 「老斤里米軍良民殺害事件対策委員会」のチョン・ウンヨン委員長は、「米軍は老斤里で400人近い市民を殺害しておきながら、謝罪はおろか真相調査報告書までもわい曲した」としながら、「女子中学生殺人事件は米軍がわれわれの存在を無視していることの表れであり、あまりにも悔しく怒りを覚える」と述べた。

 また、「アジア平和連帯」の代表として参加したフィリピンの平和運動家ウォルドン・ベロウ氏は、「私はみなさんと怒りを分かち合うために来た。これ以上、大国に踏みにじられるのを拒否しよう」と訴えた。

 集会を終えた参加者らは午後6時頃からろうそく点火式を行い、光化門方面に向けてデモ行進を行った。

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