安くて良い品を直営工場で制作、短期間で提供
東京・新宿でチョゴリなど販売(株)モビーディック
流行をさりげなく
「韓国料理」の店がひしめく東京・新宿職安通り。明治通りをはさんだ都営大江戸線東新宿駅。お店はそこから徒歩3分ほどの好立地にある。しかも、職安通りとはうって変わって静かな環境だ。 外から見える大きな窓には商品のチョゴリが並べられ、一目でチョゴリを扱っている店とわかる。 お店を始めたのは2年半前。洋服関係の卸をしていた関係でソウルの南大門市場に行くことも少なくなかった。そこで、紹介されたのが今にも倒産寸前の「韓服屋」だった。「同族を助ける」という気持ちもあって工場ごと引き受けることに。現在では東大門に店舗兼工場を移して営業中だ。
「うちの商品は5〜6万円が平均で、10万円を超えるものはありません。その秘訣はソウルに直営の工場を持っていること。オーダーを受けてお針子たちに頼むので、マージンを払ったり、注文する必要がない。だから安くて良い品を提供できるのです」。代表取締役の李日孝さん(39)はこう打ち明ける。 短期間で仕上げられるのも「売り」。注文から最短1週間で完成できる。これまでの記録では、オーダーから5日目に納品したことがある。 最新の流行をさりげなく取り入れるようアドバイスすることも。「やはりお客様にはセンスのよいものを着てほしいですからね」(李社長)。「最近は落ち着いた色を好む方が多いです。こちらも渋めのものをお勧めしています」。扱う品も婚礼衣裳から「ケリャン韓服」(チョゴリを普段も着られるよう改良したもの)まで多彩だ。 10〜12月にかけては成人式用の注文が殺到したという。セットンをあしらったものやタンウィが人気だった。 ネット販売も徐々に チャリティーゴルフなどウリハッキョ(朝鮮学校)支援のためのイベントや女性同盟、同胞結婚相談所主催のイベントに出展する形での宣伝展開もしている。 最近も、女性同盟結成55周年を記念して東京・中杉が主催したパーティー会場にチョゴリや結納品などを展示したところ、6件の注文があったそうだ。「オモニたちが娘さんやその友達を連れてきてくれる」。 インターネットでの注文もぼちぼち入り始めた。わざわざ来店できない地方からのオーダーが多い。 「これからもよいものを安く提供できるよう、企業努力を続けていきます。婚礼衣裳の品数も充実させていくつもりですのでよろしくお願いします」と李社長は抱負を語る。チョゴリ以外にもアクセサリーやバッグ、洋服、革製品などを提供している。 婚礼全般にわたるプロデュースも行っているので、気軽に訪ねてみてはどうだろう。気さくな李社長が丁寧に応対してくれる。(文聖姫記者) 【営業時間】AM10時〜PM9時、【休日】12月30、31日、1月1、2日。それ以外は無休。 |