春・夏・秋・冬

 今年、北南関係で最も象徴的な出来事といえば、東・西海鉄道、道路の連結工事が始まったことだろう。西海線鉄道(京義線)の南側最先端の都羅山駅には平壌行きのプラットホームが建設されているそうだ。平壌まで205キロ、ソウルまで56キロと記された駅の看板は、北南が一つの地であることをあらためて思い出させる

▼祖国解放後、朝鮮半島は外部勢力によって分断された。50年にわたって北南を隔ててきたのが軍事境界線である。「臨津江水清く/とうとうと流れる…」と歌う「臨津江」。川は流れ、鳥たちは自由に飛び交うのに、人間だけが自由に行き来できない矛盾、悲しみを歌った

▼鉄道、道路の連結には、その軍事境界線を民族の力で崩す第一歩を記す意味がある。89年に女子大生だった林秀卿さんは板門店を越えて南に戻った。彼女は逮捕されたが、その後、分断の象徴であった板門店を通ることは半ば既成事実化した。鉄道、道路が開通し、列車や車が行き交うようになれば、また一つ大きな風穴が開くことになる

▼米国はこうした流れを苦々しく思っているようで、非武装地帯の地雷撤去作業が最終段階に入った時からいろいろと難くせをつけて妨害しようとしている。にもかかわらず先ごろ開かれた北南の実務接触では、日程どおり完工できるよう双方努力することをあらためて確認した

▼南の第16代大統領に選ばれた盧武鉉氏(56)は、対北政策において金大中大統領の「太陽政策」を踏襲するという。来年あたり、京義線を利用して首脳同士が相互訪問するのも夢ではない。(聖)

日本語版TOPページ