春・夏・秋・冬 |
今年も余すところあとわずか。今年、朝鮮半島を取り巻く情勢はめまぐるしく動いた。朝・日の首脳が初めて会談し過去清算などを解決していくことを盛り込んだ平壌宣言に署名した。先々号のこの欄でも記したが、北南関係においてはかつてない動きが相次いだ。年末の盧武鉉大統領誕生は、6.15宣言履行の意思の強さの表れだとも思える
▼もちろん、楽観的な動きだけではない。在日の社会では、むしろ悲観的な動きの方が目立った。とくに、朝・日首脳会談で明らかにされた「日本人拉致事件」が同胞社会に与えた影響ははかり知れぬものがあった。加えて「核問題」の真相も非常にわかりにくい。米国が発する一方的な情報をあたかも既成事実であるかのように伝えている報道の影響も少なくあるまい ▼一方で洪水のような「拉致報道」「北バッシング報道」の中、何の罪もない朝鮮学校の生徒たちへの嫌がらせが相次いだことには憤りを感じる。事態を重く見た日弁連は緊急アピールと声明を発表した。日本社会の良心だろう ▼翻って本紙は、同胞の怒り、悲しみ、悩み…さまざまな思いを代弁する手段となり得ただろうか。今年1年、とくに「9.17」以降、同胞読者に役に立つ紙面作りをできただろうか。答えは明白だ。来年こそは原点に立ち返り、読者のための紙面作りを心がけたい。それを判断するのはほかでもない、同胞読者であることを肝に銘じながら ▼同胞たちに少しでも元気を与えられる武器に本紙がなれるよう、編集部一同努めていく所存です。(聖) |