取材ノート

双子たちの未来は?


 昨年末、2組の双子を取材した。呉守哲・申月仙夫妻の娘、呉里恩・里奈ちゃん(取材時生後3カ月)、厳昌明・尹鳳愛夫妻の息子、厳健太・康太君(同満3歳)だ。何かと忙しい時期であったにもかかわらず、両家ともこころよく取材に応じてくれた。

 今年が2002年ということで、「じゃあ、双子を2組探してみよう」と立てた企画。偶然神奈川で2組見つかり、ぜひ新年号にと無理を言って頼み込んだが、その甲斐は十分にあったと自負している。

 周知のとおり、昨年は在日同胞社会で暗いニュースが続いた年だけに、子どもたちの無心な表情を見ながら、読者のみなさんが少しでも幸せな気分になってくれれば、企画は成功したと思う。

 さて、この子たちが活躍する20年後の在日コリアン社会はどうなっているのだろうか。

 里恩・里奈ちゃんの両親は、「とにかく朝鮮人として堂々と生きていってほしい」と願いを込める。同胞との結婚にこだわり、それを成就させた厳さん夫妻の思いも同じだろう。

 そう考えれば、20年後も30年後も、在日同胞社会が存在し続けていることは間違いない。

 1世、2世から民族性を育まれてきた3世、4世たちが、それを次世代に伝えていく。そうやって、民族性というものは受け継がれていくのではないか。「三つ子の魂百まで」ではないが、子どもの頃に培われた民族性は、そう簡単に消えるものではない。

 民族性を守っていくうえで現在、柱となっているのが教育と結婚。朝鮮学校の重要性は今さら語るまでもないが、設立から8年が過ぎた同胞結婚相談センターの存在も見逃せない。同胞同士の出会いを求める人たちにとって心強い存在となっている。厳さん夫妻のように、相談所を介して知り合い、双子に恵まれたケースもある。需要は高まるばかりだ。(聖)

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