閑話休題

ハナ(1つ)築く優しさと心意気

「マンナメ水曜会」


 それは心温まる夜だった。大阪で暮らす同胞女性らが、思想や信条、所属などあらゆる壁を越え、集う広場「マンナメ水曜会」(1月30日)。新年会も兼ねていて、気のおけない友人同士の、垣根のない言葉が弾けた。

 「ハナロ(1つに)」を合い言葉に始まったこの出会いは、96年に始まり、もう18回を数える。今年3月、6回目を迎える「ウリキョレ女性展」の母体のような存在でもある。この「女性展」には、絵画、書芸、陶芸、ステンドグラスなど多彩な才能を持つ女性たちが出品してきた。さぞ、けんけんごうごうの論議があったであろう。にぎやかさと率直さは女性の特性である。

 この会は「分断の痛みを背負い、異国暮らしの苦難の道を歩んできた女性たちの心と心をつなぐ場」(黄河春事務局長)なのである。

 出会いと語らいを重ねた歳月。史跡めぐりや芸術作品の展示会だけでなく、朝鮮半島情勢を聞く講演会なども積極的に開いてきた。この過程で朝鮮戦争や済州島4.3事件などへの共通の認識も深まった。折しも2000年の6.15共同宣言によって、南北の統一の機運は一挙に膨らんだ。

 会が佳境に入った頃、1月の朝鮮の合同会議が内外同胞に送った3大アピールが朗読され、その精神に沿って統一運動に呼応することを万雷の拍手で確認。

 「私たちの小さな努力が花開いていくようです。普段の暮らしの中で交流を積み重ねて来て、『今は統一が始まった』と実感しています」と語るのは、共同代表の1人・李現枝さん(65)。どの顔にも、「ハナ」を築いてきた優しさと心意気があふれていた。(粉)

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