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「3大アピール・3大提案」とは?

今年、統一の決定的局面を
朝鮮政府・政党・団体合同会議で呼びかけ


  朝鮮政府・政党・団体合同会議が示した「3大アピール・3大提案」とは。

  1月22日、平壌で開かれた朝鮮民主主義人民共和国政府・政党・団体合同会議では、6.15北南共同宣言発表2周年を迎える今年、祖国統一の決定的な局面を開いていくための対策が討議されました。そして、ともに祖国統一の決定的局面を開いていこうと内外の全同胞に呼びかけるアピールが採択されました。その中で示されたのが3大アピール・3大提案です。

 3大アピールの内容は@自主統一の旗じるしである6.15北南共同宣言の徹底的な履行A北南関係の進展と祖国統一運動の活性化B国の平和を脅かし統一を妨げる要因の除去――です。この3大アピールを実現するために、@今年を「わが民族同士で団結と統一を促す年」にA6月15日を「わが民族同士で統一の扉を開く日」にB5〜8月を「わが民族同士で力を合わせていく運動期間」に、それぞれ定めようというのが3大提案です。

  どんな意味があるのですか。

  年末に大統領選挙を控えて最近、南の保守勢力の間からは、一昨年の6.15北南共同宣言を反故にするような発言が出てきています。とくに野党ハンナラ党の李会昌総裁は1月に訪米した際、米ブッシュ政権の要職者らに会い、「北は変わっていない」「核開発に備えるべきだ」「統一後も米軍の南朝鮮駐屯が必要」「(自分が執権したら)非武装地帯での北の兵力後退配備、通常戦力削減を求める」などと、北南関係の進展を妨げ米の対北強硬政策をあおるような発言を重ねました。

 これに対して北側は強く反発していますが、たとえ大統領が誰に代わろうが、北南の最高指導者が直接サインした民族の統一綱領である6.15共同宣言の地位、その権威に変化はないというのが北側の認識です。北側は共同宣言の採択、発表以来、これを徹底的に履行していくとの変わらぬ立場を繰り返し表明しています。

 3大アピールの@が「共同宣言の固守、履行」であることから明らかなように、今回の3大アピール・3大提案も、その強い意志を再確認したものにほかなりません。

  では3大アピールのA「北南関係の進展、統一運動の活性化」は。

  @で強調した共同宣言の履行を支えるために、A「北南関係の進展、統一運動の活性化」とB「国の平和、統一を妨害する要因の除去」が必要となるのです。

 Aは南の保守勢力や米の妨害などにより低調になってしまった当局間交流を6.15の原則、その精神に立ち返って再び活性化させ、同時に、そうした中でも着実に続けられてきた民間交流をより発展させようということです。例えば今月20〜21日、金剛山では「民族の団結と統一を促すための2002年迎春北南共同の集い」が開催されます。北南の民間団体代表らが1月30日〜2月2日、平壌で実務接触を持ち、開催を決めたもの。交わされた合意書によると、北南の諸団体は団結した力で新たな戦争の危険を解消し、6.15共同宣言を履行していくうえで民族共助を実現することを今年の統一運動の基本課題として提起したと言います。

 このように6.15の原則に従った民間交流について南当局は過去のような制限する立場ではなく、積極的に奨励する立場に立つべきであり、今回の3大アピールもそれを訴えています。

  B「国の平和、統一を妨害する要因の除去」は。

  先ほど触れた南の保守勢力ももちろんですが、最大の妨害要因となっているのはほかならぬ米国です。とくにブッシュ政権以降、さらに昨年の9.11事件後に加速した対北超強硬政策は、目に余るものがあります。

 ブッシュ大統領はそもそも当初から6.15北南共同宣言、とくに民族自主をうたった第1項には明確な反対意思を示しており、昨年3月に南の金大中大統領と会談した際、米の許可なく北南交流を進めないよう圧力をかけています。

 さらに9.11後、アフガン報復戦争が「一段落」した後の1月29日に行った一般教書演説では北をイラン、イラクとともに「悪の枢軸」と呼び、反テロ戦争の対象として視野に入っていると述べました。米のこうした姿勢は前政権下で進んだ朝米関係を逆戻りさせ、朝鮮半島に不必要な緊張状態を強いるもので、統一への歩みに悪影響を及ぼすのは言うまでもありません。北南、海外の朝鮮民族はもちろん、西側諸国や米国内からも反発を招いています。

 つまりBは、こうした情勢を背景にしたものだと言えるでしょう。

  北側の原則的立場は一貫しているのですか。

  そうです。繰り返しになりますが、6.15共同宣言は北南の最高指導者が直接サインした民族の統一綱領です。もちろん、サインした北側の最高指導者は金正日総書記にほかならず、共同宣言には、北側が一貫して堅持してきた統一原則が反映されています。

 総書記は1996年11月、金日成主席が示した@自主、平和統一、民族大団結の祖国統一3大原則(72.7.4)A祖国統一のための全民族大団結10大綱領(93.4.6)B高麗民主連邦共和国創立方案(80.10.10)――を、祖国統一3大憲章と定めました。総書記は同年8月4日に発表した論文「偉大な領袖金日成同志の祖国統一遺訓を徹底的に貫徹しよう」で、「祖国統一の3大憲章こそ、祖国統一の旗じるしであり、祖国の自主的平和統一を実現するためのもっとも正当で現実的な闘争綱領である」と指摘しています。

 主席の時代から一貫して掲げてきた北側の統一原則は総書記によって定式化され、一昨年の6.15北南共同宣言に脈々と息づいていると言えるでしょう。その基本精神こそが、今回のアピールでも強調している「わが民族同士」、つまり民族自主と大団結の精神なのです。

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