「やっぱり和牛が1番!」

肉(2月9日)の日にちなんで埼玉・所沢で焼肉フェア


 BSE(狂牛病)問題の風評被害などで牛肉の消費が落ち込む中、牛肉のおいしさを消費者に再確認してもらおうと「牛肉消費拡大フェア」が「肉の日」にあたる2月9日、埼玉県所沢市の所沢駅東口で行われた。企画したのは、市内14の焼肉店が加盟する市焼肉店連合会などによるBSE対策牛肉拡大キャンペーン実行委員会。この日は和牛の焼肉とすき焼き2000食分と、ウーロン茶とビールが無料で振る舞われ、地元の親子連れなどでにぎわった。同連合会の柳峰世副会長(54)は、「店が以前のようにファミリー層で活気付く『起爆剤』になったのでは」と手応えを感じていた。

ファミリー層呼び戻すため

ファミリー層でにぎわったフェア

 今回のキャンペーンを企画した市焼肉店連合会は、店に客を呼び戻し再び活気ある業界をと願って昨年12月、同胞業者を含む市内14の焼肉店経営者らで発足された。

 BSE問題後、加盟店の売り上げは5〜6割減少した。「埼玉都民」ともいわれる東京のベッドタウンという地域柄、客層の中心はファミリー。BSE騒動では、ファミリー客の足が最も遠のいたと言われるだけに、半額などの割引イベントで集客、低迷する消費回復に務めたものの、客足は今ひとつ伸び悩んでいた。

日本の業者とともにフェアを企画した同胞たち

 そこで同連合会を結成。昨年末、市に対し、@緊急融資の条件緩和A焼肉店への各種支援強化B消費回復のための各種イベントなどの協力――などを強く要請した。その結果、消費回復に努める旨の決議が市議会で採択され、市商工課から今回のキャンペーン費用の半分が助成されることになった。

 また交渉の結果、ウーロン茶とビールは飲料水メーカーが協賛。出費のコストダウンも図れた。

 あわせて、新聞記事やテレビなどを通じた宣伝も行った。

「モー安心と消費者」

 キャンペーンは当日午前11時、市長のあいさつで始まった。駅周辺には、「やっぱり焼肉! おいしいね」「お父さん、そろそろ家族で焼肉を食べにきませんか!」と書かれたハッピをまとった加盟店の経営者や従業員が肉の安全性をアピールするとともに、加盟店のマップと1割優待券(2枚)が付いたチラシなどを道行く人々に配布。即座に行列が出来た。

 列に並ぶ消費者に肉の安全性をアピールしたり、顔見知りの客に店をアピールする経営者らの姿も見られた。

 2000食の焼肉とすき焼きはあっという間になくなるほどの大盛況。

 家族4人で焼肉をほおばっていた40歳のサラリーマンは、「新聞を見て来た。日曜日の夕食はほとんど焼肉だったが、BSE問題後、牛肉から豚肉に替えた。牛肉は久しぶりだけど、やっぱり和牛が1番。安全な牛肉の流通態勢も確立されていることだし、モー安心して牛肉、焼肉を食べれる」と語っていた。子どもたちも「柔らかくておいしい」と、ともにうれしそうだった。

 娘と一緒に焼肉を食べていた29歳の主婦は、「焼肉は食べていたが、ほとんどが家で。焼肉屋さんの焼肉のおいしさを思い出した。店でも食べてみようかな」と話していた。

 柳副会長は、「積極的に行動して店をもり立て、地域社会の繁栄に尽くしていきたい」と語っていた。(羅基哲記者)

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