春・夏・秋・冬

 人との接触を禁じたり、外部との往来を遮へい物で一切さえぎったり、隔離することは、進歩や発展を阻む天をも恐れぬ行為である。そして、それらのことを計算づくのうえで人をそうした境遇に追いやることは、人道に対する犯罪以外の何物でもない

▼その代表的な例としては、ナチスドイツの強制収用所がまず浮かんでくる。強制連行・徴用した朝鮮人、「従軍慰安婦」たちを閉じ込めた「タコ部屋」「慰安所」もしかり。ハンセン病患者たちの施設もそうである

▼ある記者は、取材のために国立ハンセン病療養所「多磨全生園」に初めて足を踏み入れた時、11万坪の広大な敷地にスーパー、郵便局、選挙の掲示板まで「生活に必要な施設」が整えられた「街」に驚いたという。「思いやり」からではなく、ハンセン病患者たちを1歩足りとも外部に出さないという当局の決意、その非人間的な処遇に対してである。その光景が今も瞼(まぶた)に焼きついて離れないとも

▼不法な植民地時期、日本は逆の発想もして朝鮮半島各地に「日本人街」を作り、朝鮮人を締め出した。「街」と「街」によって、朝鮮人の隔離を計ったのである。あの広大な旧満州にも、「日本国」を持ち込んだ。上海では列強が同じ発想で、それぞれの邦人街を作った

▼人が人として生きる、すべての者が生まれ持った等しい権利を、人為的にはく奪するおぞましさ、発想は帝国主義特有のものだ。そういえば、イスラエルはパレスチナ人を閉じ込め、ブッシュもイスラム、朝鮮の、国際社会からの隔離を計っている。(彦)

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