パランピッ 第5回在日朝鮮人女流美術展 開催
同胞社会に力と励まし
金蓉子「30代の肖像」 油彩 |
金正愛「うらら」 岩彩 |
尹光子「小さな湖の秋」 油彩 |
久しぶりに集まった仲間たちと乾杯(2月26日、東京・銀座) |
第5回在日朝鮮人女流美術展「パラムピッ(風光)」が、2月26日から3月3日まで東京・銀座のタカゲン画廊で開かれた。
約30人の女性美術家が出展した朝鮮画、油絵、陶芸など53点の作品が展示された会場には、連日多くの観覧者が訪れ、にぎわっていた。 26日の夕方には、オープニングパーティーが開かれ、同展事務局長で東京朝鮮第5初中級学校の美術科教員・金聖蘭さん(41)があいさつした。金さんは「女性展の開催は、10年前の92年、『東京を中心に同胞女性の手で美術展をやりたい』と始めた。その時、何人もの女性が待っていましたとばかりに共感してくれて、2年後の94年に、初開催を実現した」と振り返りながら、多くの女性たちが、仕事を持って、結婚、出産、子育ての中で、絵を中断したり、発表の場に恵まれなかったりしたこともあったと指摘。しかし、この8年の間に、女性展を通じて、お互いの悩みや苦労を分かちあいながら、互いに切磋琢磨して、絵を描き、作品を発表してきたのは、無上の喜びであると述べた。 金さんは女流美術展は、美術を志す女性たちを創作へとかりたてる一陣の風(パラム)を起こし、光(ピッ)をさしこんできたが、今後も、広く同胞女性の心の中に、パランピッを起こしていきたいと語った。 また、同展会長の尹光子さん(65)は、女性展が年を重ねるごとに成長してきたのは、同胞社会の励ましと女性たちの研鑽(さん)のたまものだと語りながら、「私の若い時は、女性が絵を習ったり、画材を買うなどということは、世間体が悪いとされた。夫の許しを得ても、周りからは白眼視されたりしたこともあった。そういう時代の制約の中で、人に言えない苦労もあったが、やり続けて、いい時代を迎えられた。若い人たちと一緒にいつまでも作品を発表できるようがんばりたい」と力強く語っていた。 |