医療−最前線

正しい入浴法を


 入浴について先週書いたが、入浴の方法を間違えると、効果が違ってくる。また、間違った入浴法は事故にもつながるのでご用心を。

 @半身浴。39度前後のぬるま湯に胸下までつかることだが、決まった作法があるわけではない。全身浴とどう違うのか。

 さまざまなデータによれば、「全身浴は即効性があり、半身浴は長い時間をかけて温まるので隅々まで血液が巡る」という。

 A熱い湯とぬるい湯の効果の違い。「仕事前は42度の熱めの湯に3分、またシャワーを。疲れをとるには38度〜39度で15分くらい入浴すると効果的」と医師はアドバイスする。

 42度以上になると交感神経を刺激し、緊張状態を作るという。また、体温に近いぬるま湯は副交感神経が作用してリラックスできるという。

 また、事故を防ぐには@湯温39〜41度くらいで20分を超えないA脱衣場や浴室の温度が低くならないようにB食事直後や深夜は入らないC気温の低い日は早めに入浴D心肺の弱い人や高血圧症の人は半身浴が望ましい、としている。

 さらに注意しておきたいのは、寒い時の入浴。血圧の変動が激しくなり、血液にも異変を起こす。血を固める血小板の働きが活発になり、汗が出て血液が濃縮される。血栓を溶かす酵素の働きも鈍って、入浴後や翌朝に脳血栓を起こしやすくなる。

 入浴後は血液粘度が高まるので水を飲むこと。浴槽につかる前にかけ湯をして体を慣らすことも忘れずに。(李秀一・医療従事者)

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