本社記者平壌レポート

大紅端

ジャガイモのふるさと


大紅端ジャガイモ加工工場の全景
 両江道大紅端郡は、朝鮮では「ジャガイモのふるさと」として名高い。「苦難の行軍」の時期、高山地帯の多収穫作物であるジャガイモ生産のモデル地域となった大紅端郡では人々にジャガイモ栽培を奨励するとともに、郡的にも多くの力を注いだ。

 その結果、昨年の町歩あたりの平均収穫高を40トンにまで押し上げ、展望的には60トンを目指している。

 郡内にあるジャガイモ研究所では種子改良のための研究を深め、収穫高向上のための努力を惜しまない。また、ジャガイモ加工工場ではでん粉や飴、芋焼酎などを生産し道内だけでなく各地方に配給している。

 大紅端郡の家庭では当然のことながらジャガイモ料理が中心で、ゆでたり、焼いたりしたシンプルなものから、フライドポテト、チヂム、ムク、餅、パン、うどんなどジャガイモを材料にした美味しい料理が目白押しだ。年間を通じて1人当たり1トンのジャガイモが配給される大紅端郡では、人々がジャガイモを加工工場に持っていけば、うどんやパン、チヂムの原料となるでん粉にしてくれるという。

口当たりもまろやかな「大紅端酒」

 また、加工工場で作っている芋焼酎「大紅端酒」は生産から間もないためそれほど有名ではないものの、味は他の酒に勝るとも劣らない。アルコール度数が25%の「大紅端酒」は、口当たりがまろやかでやや甘味のある、のど越しのいいお酒。

 工場の支配人も「飲めばすぐに酔えるが、次の日に残らないのが『大紅端酒』の特徴です。不純物の含有量が国際基準に比べかなり低く、あくる日に頭が痛いということはまずありません。だから郡の人たちにも好評です」と満面の笑みで話しながら、「ジャガイモ料理をつまみに、水割りやロックではなくストレートで飲むのが1番」と美味しい飲み方まで教えてくれた。

 でん粉や飴と違い、「大紅端酒」は現在郡内にだけ配給されている。今後他の地域に配給する予定はないそうで、この味を堪能するため大紅端郡にまで足を運んでみるというのも乙なものかもしれない。【平壌発=姜イルク記者】

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