代替住宅要求で意思確認

ウトロ同胞が集会 総聯・民団合同調査へ


 京都・宇治市伊勢田町ウトロ地区に暮らす在日同胞らが地権者から立ち退きを求められている問題で、住民らの団結集会「われら、住んでたたかう」(主催=ウトロ町内会)が2月24日、府立城南勤労者福祉会館で開かれ、住民と支援者ら約200人が参加。「代替住宅が補償されない限り最後までたたかう」との意思を確認した。

 集会では、厳明夫・同町内会副会長が立ち退き問題をめぐる経過について説明した。

 解放前、飛行場建設に動員された同胞労働者らが住むようになり、今に至るウトロ地区。同胞住民らの立ち退きを求めて地権者が起こした「ウトロ訴訟」で、被告となった約70世帯、230人の同胞住民はその歴史的経緯から居住権を主張したが退けられ、一昨年11月までに全員敗訴が確定した。いつ立ち退きの強制執行が行われるか分からない状況の中、住民たちはこの問題で歴史的責任を負うべき日本政府および京都府、宇治市などが救済策を取るよう「ウトロまちづくりプラン」という具体案を示し運動を行ってきた。

 厳会長によると、昨年2月と8月の2回、地権者である大阪市の不動産会社から敗訴した69世帯に対して個別に、「建設的な形の協力ができないか。年末までに協議がなければ法的手段を取る」との手紙が届いた。そのため昨年9月、町内会役員が不動産会社の担当者と初めて直接協議したところ、地権者側は、地権者と住民が共に行政に働きかけ、土地を行政に買い上げてもらうことなどを提案したという。

 この日の集会は、こうした状況にどう対応していくか、住民らの意思を確認するために開かれたもの。昨年8月末、国連・社会権規約委員会が日本政府に対しウトロ住民を強制立ち退きから救済するよう勧告したことについての報告などに続き、意見交換が行われた。

 住民からは「なぜウトロに住むことになったのか、歴史的背景を知ってほしい」「裁判では負けたが、われわれが言っているのは道義的な問題。われわれを人間扱いしてくれ」「ウトロはふるさと。ここを出たら住むところがない」「立ち退きを迫るなら公営住宅の建設を」「強制執行になれば命をかけてたたかう」などの声があがり、代替住宅を求めて粘り強くたたかっていくことを参加者全員で確認した。

 集会には総聯京都府本部の諸葛檀副委員長、民団南京都支部の李基案団長も来ひんとして参加、あいさつを行ったが、両団体では3月中にも合同で現地調査に乗り出す予定だ。

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