階段式発電所でうるおう新興郡

城川江に建設された階段式発電所 チュンピョンリの新築住居

 咸鏡南道新興郡では、郡内を流れる城川江の40キロあまりの区間に、30あまりの階段式発電所を設置した。「苦難の行軍」の時期である99年から着工し2001年11月に完成したこの階段式発電所は、現在郡内のほとんどの電力をまかなっているそうだ。

 城川江に沿ってさかのぼっていくと、30号、29号、28号と発電所が並んでいる。これらの階段式発電所は10メートル以下の落差を利用して電力を生産しているのである。最初に作られた発電機は城川江22号発電所にある。300キロワットの能力を持つこの発電機の名前は「自力更生1号」。城川江電機工場で製作されたものだ。22号発電所の責任者であるハン・チルソンさん(60)によると、城川江電機工場はもともと発電機を作る工場ではなかったものの、電力問題を自分たちの力で解決しようと苦心に苦心を重ね「自力更生1号」を作り上げたという。

 城川江の階段式発電所で使われている発電機はすべて国産で、城川江電機工場のほかにも2.8ビナロン連合企業所や大安重機械連合企業所で作られた。

 城川江の一帯は発電所建設と平行して整地されたため、河の流域には別荘地のようなのどかな農村が広がっている。新興郡チュンピョンリの第6作業班には200メートルの区間に40棟の新築の家が建ち並び、託児所やサウナ、床屋などその他の施設も新たに設けられた。この村では城川江の水を引き上げ、小さな発電機をまわしている。発電機室には各家庭の世帯主の名前が記されていて、各家庭に電気が正常に行っているかどうかをひと目で確認することができる。

 託児所やサウナのほかにもフナや鯉の養殖場もあり、養殖している魚を相手に釣りを楽しむことができる。また、城川江のほとりに新たに建設された遊園地は周辺住民のいこいの場となっている。第6作業班に暮らすハム・メスンさん(59)は、「昔は生活も不便で苦しみながら暮らしたけれど、今は本当に楽になりました。それに生活の楽しみもたくさん増えましたよ」と微笑んだ。【平壌発=姜イルク記者】

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