それぞれの四季

「叔母バカ」

ウォン・ヂョンヒ


 苺を見るとそれが大好物なチョッカ(姪っ子)を想う。彼女は1年8カ月前、私の誕生日の数時間前に生まれた。

 近年、年をとることなんてちっともうれしくなかった私にとって最高のプレゼントだった。以降も彼女の存在は、東京砂漠(?)で荒みつつある生活の中でのオアシスとなっている。決して大げさではない! だって私のチョッカ、本当に愛らしくチャッカニー(お利口さん)なのだ。

 数日前、アンパンマンキャラクターのぬいぐるみをいくつかお土産に持って行ったら、それぞれを抱っこしながら、「アンパンマーン」はドスのきいた声で、「ドキンちゃん」は3オクターブほど高い声で…などと声色を変え、ぬいぐるみを向かいあわせて、芝居のようなものを演じていた。「末は女優か、演出家か?!」と思わずうなるほどの出来ばえ! 神戸に住む彼女と、数カ月に1度しか会えない私は、毎回その成長ぶりに驚き、感激している。正月にはまだ「オンマ」「アッパ」と呼ぶのがせいぜいだったのに。

 よし、次の課題は「コモちゃん」よ! 足しげく通ってとうとう呼んでもらうことに成功し、至福の喜びを味わっている「ハルべ」「ハンメ」と共に、「コモちゃん」を連呼したら、「コムタン!」とスープになってしまった。「ドキンちゃん」の発音よりよっぽど簡単ではないか! とムキになってしつこく頑張ったが、スープのまま…。

 「叔母バカ」という言葉があるのかどうかは知らないが、私はまさに自他共に認める「それ」のようなもんである。(医療生活協同組合職員)

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