米軍の蛮行、広く知らせたい
米の退役軍人ら訪朝、朝鮮戦争時の住民虐殺を調査
米国の民間団体、「平和のための老兵組織」のブライアン・ウィルソン代表を団長とする朝鮮戦争当時の米軍の住民虐殺に関する調査団が5日から訪朝している。朝鮮中央通信が報じる一行の動きをまとめた。
朝鮮人民に謝罪、補償を 一行は6日、平壌の国際文化会館で戦争被害者の聞き取り調査を行った。被害者らは、具体的な事件や資料をあげながら朝鮮戦争時の米軍の蛮行について証言した。 ウィルソン代表は、「今回、北の人々の証言を聞くことで、米軍の蛮行についてよく知ることができた。これは認めざるを得ない歴史的事実であり、現在、朝鮮の統一を妨げている張本人も米軍だ。今後、こうした事実を世界に知らせていくのは私の義務になる」と述べた。 8日には、黄海南道・信川郡の信川博物館を訪れた。信川郡は、朝鮮戦争時に米軍によるもっともひどい残虐行為があった場所で、住民の4分の1にあたる3万5380余人が殺された。博物館には、米軍の蛮行を示す3000余点の遺品や写真資料などが展示されている。一行は学芸員解説を聞きながら、数々の資料やパネルなどを見て回った。 また元信川郡党防空壕、猿岩里火薬倉庫のほか、米軍に集められ火をつけ殺された400人の母の墓、102人の子どもの墓などの各所を回り、米軍による殺りく蛮行の真相を調査した。さらに現地の被害者に面会し、聞き取りも行った。 米軍により両親が無残に虐殺されたことについて証言した閔善弘、崔慶女、鄭根誠、李仁華の各氏は、お腹が空いて泣く子どもたちにガソリンを撒き、手榴弾を投げつけた米軍は殺人鬼だと糾弾し、「いくら歳月が流れ、山河が変わっても米侵略者の犯罪行為は絶対に許せない。米国は朝鮮で犯した罪悪に対して朝鮮人民に謝罪し、補償すべきだ」と強調した。 信川の地を占領した米軍が罪なき住民を手当たり次第に逮捕し、残忍な方法で無残に殺したことについて、資料をあげながら具体的に証言した金潤文、朱尚原の両氏は、米軍がこの地で働いた蛮行を調査団一行が綿密に調査、立証し、世界に洗いざらい告発、断罪するものとの期待を表明した。 違法な細菌戦、化学戦 一行は12日、平壌国際文化会館で行われた「米帝の細菌戦、化学戦蛮行を暴露する座談会」に参加した。 座談会で金成重教授(博士)は、朝鮮戦争当時、米侵略者が平安南道と江原道をはじめとした全国各地に多くの細菌弾を投下して朝鮮人民を大量殺りくしたことに言及し、米軍が強行した細菌戦蛮行の真相について具体的な資料をあげて論証した。 金洛斉教授(アカデミー会員、博士)と玄昌夫教授(博士)は、米軍が化学兵器を使用して罪なき住民を窒息死、中毒死させる罪悪を働いたことを暴き、米国は国際法に乱暴に違反した自国の罪悪について朝鮮人民に謝罪し、必ず補償すべきであると強調した。 彼らは、朝鮮で強行した米軍の細菌戦、化学戦蛮行は世界の面前で余すところなく暴露されるべきであると述べ、調査団が米軍の蛮行を米国や世界の人民に広く知らせ、厳しく断罪するものとの確信を表した。 ウィルソン団長は、米軍の生物・化学戦蛮行に驚きを禁じえず、これは世界に広く知られるべきであると述べた。 また、米軍による蛮行を断罪する新しい国際法廷が設立され、今日会った人々の発言が公開されるべきであると強調した。 ◇ ◇ 住民大量虐殺、無差別爆撃など朝鮮戦争時に米軍が犯した非人道的な残虐行為と関連しては、昨年5月にもラムジ・クラーク元米司法長官を団長とする米軍蛮行国際真相調査団が訪朝。被害者の証言や資料を収集した。 そして同年6月には、ニューヨークで「コリア国際戦犯法廷」が開かれた。これは、北南朝鮮、海外の同胞による汎民族調査団体「米軍虐殺蛮行真相調査究明全民族特別委員会」(全民特委)、米国の全国組織「インターナショナルアクションセンター」、元軍人らによる「平和のための米全国在郷軍人会」が主催したものだ。世界各地から約500人が参加した法廷ではクラーク元米司法長官ら国際共同検事団が米軍の犯罪を暴き、世界16カ国(朝鮮戦争参戦国)から選ばれた陪審員らにより、45年以降の全大統領と国務、国防副長官、各情報機関の責任者、駐南朝鮮米軍司令官に有罪判決が下された。 |