若きアーティストたち−2

新堀ギター音楽教師 高孝一さん

世界にはばたくギタリスト育てたい


 新堀ギター音楽院専任講師の高孝一さん。78人の生徒を担当するやり手ギター講師だ。

 金髪まじりのウェーブヘアがなんともギタリストぽい。好きな言葉は「朝高魂」。

 取材の間中ギターを放さなかった彼。ギターが手元にないと落ち着かないのだとか。何気に奏でる曲はバロック、ロック、フォークソングと色々。

 朝高を卒業して1年後、国際新堀芸術学院エレキギター科に入学。2000年卒業と共に同校認定試験に合格し講師となった。専攻は、エレキギターだが、フォークでもクラシックでもギターならなんでもこなしてしまう。

 高さんのモットーは「音楽を楽しむ」。だから生徒が幅広く音楽を楽しめるよう心がけている。例えば生徒に専門外のギターを教え、寄り道をさせながら、ギターの楽しみ方を広げてあげるという風に。

 高さんの夢は「有名なアーティストを育てること」。とくに在日朝鮮人を育てるのが夢だとか。「本名でテレビに出るような在日ギタリストを育てたいです。あとは自分の技術をなんらかの形で朝鮮学校に貢献できればと思っています。横浜教室は神奈川朝高から近いので学生たちにぜひ遊びに来て欲しいです」。

 生徒たちのほとんどは彼を「高先生」と呼ぶが、親しみを込めて「ヒョイリー」と呼ぶ生徒たちもいる。「リウルパッチムが下手なんですよ。それでも一生懸命発音してくれます」。

 ギターは気持ちがストレートに表れる楽器だという高さん。ギターや音楽を通して心を通わせてそれをとっかかりにして、生徒たちと突っ込んだ話もしていく。

 「教室で雑誌『イオ』を読んでいると生徒が『それ丸井デパートの雑誌ですか?』と聞いて来るんですよ。それで説明すると『そういえば先生の名前って…』みたいな感じで会話が弾みます。朝高出身の色は意識的に出しています。他の講師とちょっと違うんだぞって」

 同僚の講師、加藤卓司さんは「高さんは私の一番身近なアジアの人になるんですよね。自分の民族に対して誇り高いことが本当にうらやましいです。音楽をする人というのは何かしらポリシーを持っている人たちなのでそう言う部分で、通じる部分がありますね」と言う。

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