春・夏・秋・冬 |
梅、ハナモクレン、そして桜の開花が少しのずれで重なった今春、こんなことは滅多にはお目にかかれないと思った。1、2月の平均気温が高く、暖冬のなせる業である。しかし近年、急速に進む地球温暖化によって南極やツンドラ地帯の氷河の後退が急激に進行しているという事実を知ると、今春のプレゼントを単純に喜んでいいのかどうか、心中複雑になる。自然の摂理に反する現象には不安を覚えてしまうものだ
▼そういえば100年に一度だか、竹に花が咲くと凶作になるとか、天変地異が起きるという話を子供の頃に聞かされたことがある。四季が四季らしくあってこそ、生物も尋常な営みを行うことができるのであって、そう思うと、近年の異常気象は天変地異の前触れとまではいかなくとも、人類社会に対する警告ではないかと自問自答してしまう ▼政治の舞台に目を移すと、「異常現象」は国政選挙の年に起きる。いや、人為的なものだから、起こされる、という表現が正しい ▼与党と野党が政権の座を争うのだから、さまざまな権謀術数が弄され「異常現象」になってしまう。南朝鮮の国会、大統領選挙で「北風」、つまり北側の政治アクションが勝手に作り出されて利用されることは有名な話だ。外交は票にはならないというが、米・共和党は「反自由主義」「反共」を売りものにする。レーガンの「ソ連は悪の帝国」は知られた話だ ▼ブッシュは、そのレーガンをまねて「悪の枢軸」という。政権2期目の行方を左右する中間選挙が秋に予定されていることを考えると、謎解きは簡単だ。(彦) |