長編アニメ「新・うしろの正面だあれ KAYOKO」制作へ

戦争の悲惨さ 語り継ぎたい


 エッセイストとしても活躍。三平師匠亡き後もおかみさんとして一家をきりもりしてきた海老名香葉子さん。今度、海老名さん自身の敗戦直後3年間の実体験をもとにした長編アニメーション「新・うしろの正面だあれ KAYOKO」の製作が決まった。

 90年にその前作である「うしろの正面だあれ」が公開されたが、その際には200万人の観客を集め、大きな話題を集めた。

 「新」の方は、東京大空襲でかけがえのない家族6人を失った11歳の「かよちゃん」が、戦後、疎開先から帰郷し、焼け野原となった東京の下町で、悲しさと苦難を乗り越えながらたくましく生きる姿にスポットをあて、また他方、かよ子の兄喜三郎(当時13歳)が、戦災孤児となった仲間たちとともに、貧しい中でも果敢に生を模索していく冒険を描く。

 海老名さんは「このアニメを通して、現代の子供たちに勇気と希望を与えれば」と述べながら、「のちのちまでも戦争の無残さを語り伝えたい。それが残されたわたしの使命だと思っています」とキッパリ語った。

 この映画製作に関しては、今も戦場に置かれているアフガンやコソボ、イラクなどの子供たちに映画を見てもらう平和文化活動を支えるため、1枚1500円の製作協力券を作るという。

 1945五年3月の東京大空襲。推定10万人が死に、約100万人が住居を失い、首都の約4割が焦土と化した。この空襲で海老名さんの両親、兄弟6人、親族含めて18人が火の海の中で死んでいった。「そのことを思い出すたびに、胸がはりさけそうになり、戦争の怖さ、悲惨さを、せめて子供たちに語り継がねばと思う」と強い決意を海老名さんは語った。

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