植民地被害の真相究明を、南朝鮮で調査立法制定の動き

4月の国会で成立を 10万人署名展開


 南朝鮮で「日帝下強制動員被害真相究明に関する特別法案」を成立させるための運動が活発化している。同法案は昨年10月12日、金元雄議員らが提出したもので、日本の植民地支配時の強制連行・労働の被害を明らかにすることが目的。1931年から45年までに日本によって強制動員され、軍人・軍属・労務者・軍慰安婦などの生活を強いられた人たちが被った生命・人体・財産の被害が調査対象。大統領所属の真相究明委員会が2年以内に海外の資料を含めて調査を行うと定めている。

 運動を推進しているのは「日帝強占下強制動員被害真相究明等に関する特別法制定推進委員会」(共同代表=姜萬吉・尚志大総長ら4人)で、日本の戦争責任を求めてきた30余の民間団体や労働団体がメンバーだ。

 現在、同委員会は4月の臨時国会での法律制定に向け、10万人署名運動を展開中だ。3月に入って集中的に署名を集めており、9、10日にはソウル市の仁寺洞で街頭署名を行い、16、17日、23、24日にも連続して行った。14、21日には大邱市で署名を集めた。国会議員からも署名を募っている。

 2月に国会で法案について説明した金元雄議員によると、今まで南朝鮮政府が植民地被害に対する正確な調査を行ったことはない。日本政府から南朝鮮政府が入手した軍人・軍属戦死者名簿や被徴用者名簿も南の政府記録保存所と外交通商部、国会図書館などの関連部署に移管、保管したままだ。

 しかし、90年代に入って日本政府に過去清算を求める運動が盛り上がる過程で被害者やその家族が生死や被害事実を立証するために記録閲覧を申請。新しい証言も次々と集まるなか、記録の誤りやわい曲が明らかになってきた。被害者側から政府による持続的な調査の必要性が提起され、法案制定の動きが本格化した。

 米国で日本帝国政府情報公開法が成立(昨年3月)し、100人以上の公務員が調査を進めていることや日本で植民地被害の真相究明のための恒久平和調査局設置法案が制定され、180人以上の国会議員(超党派)が賛同を寄せていることも南朝鮮における運動を後押ししている。

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