インタビュー

朝鮮戦争時の米軍蛮行真相調査訪朝団
ウィルソン団長(米・「平和のための老兵組織」代表)


 【平壌発=姜イルク記者】朝鮮戦争時、米軍が働いた蛮行を具体的に調査するための米軍蛮行真相調査団が5〜16日、訪朝。朝鮮各地を訪れ、戦争被害者の証言を収集した。ベトナム戦争に参戦した経歴を持つ団長のブライアン・ウィルソン・「平和のための老兵組織」代表は今回の調査を通じて「米軍の蛮行に大きな衝撃を受けた」という。そして、こうした事実を広く知らせる必要性を強調。現ブッシュ政権の好戦的な政策に対する危機感を表明した。

 ―各地を訪問して戦争被害者に会った感想は。

 私たちは今回の滞在中、朝鮮各地を回って戦争被害者の証言や座談会などを通じて被害状況について話を聞いた。

 私は訪朝のすべての過程を通じて、とても大きな衝撃を受けた。どれかひとつを選んで話してくれと言われても難しい。そのくらい、訪問したすべての場所のすべての被害者の証言が衝撃的だった。

 今回私は、米軍が朝鮮戦争時、体系的組織的な戦争犯罪を行っていたと言う事実を発見した。ひとことで言って、米軍は過去に戦争を遂行するにあたって軍人と一般市民を区別しようとしなかった。まさに無差別的な攻撃を行ったのだ。

 ―細菌戦、化学戦についての調査を行ったというが。

 米軍が朝鮮で行った生物化学戦の実情を知り、驚きを禁じえなかった。

 米国が化学兵器、細菌兵器を使用してきた歴史は長く、朝鮮戦争に限った話ではない。60〜70年代のベトナム戦争やキューバへの武力干渉の際にも、部分的もしくは全面的に使用している。

 にもかかわらず米国は最近、他国の生物化学兵器攻撃に対する報復攻撃などに対処した核攻撃計画を立てたという。ブッシュ政権の政策は穏やかでない。

 とくに、朝鮮に対して細菌戦を行った米国が反対にこの理由で朝鮮を攻撃対象に指定したことには、好戦的で賢明さに欠けるブッシュ政権の対外政策の一側面がよく表れている。

 ―ブッシュ政権は先日も「悪の枢軸」発言で非難を浴びたが。

 米国のごう慢かつ欺まん的な外交政策のひとつの実例と言える。

 ブッシュ大統領は米国以外の世界を何も知らない人間だ。大統領になる前まで外遊歴もほとんどない。とくに彼は朝鮮についてまったく何も知らない。補佐官の簡単な報告を聞いただけで朝鮮を「悪の枢軸」に加えたのだろう。過去の朝鮮戦争やその後の米朝関係について精通していたならば、そこまで行かなくとも朝鮮について一般的な常識だけでも備えていれば、こんな決心はできなかったのではないだろうか。

 ブッシュ大統領の知的水準は高校生並みだ。彼の発言はいつも無責任で危険きわまりなく、国家間の健全な関係発展を阻害する大きな致命傷となりかねない。

 われわれはブッシュ大統領が自らの発言を取り消し、国家間の健全な関係を築き上げる努力をするよう願っている。

 ―今後の活動について。

 朝鮮戦争があったという事実は秘密でもなく、誰でも知っていることだ。しかし、朝鮮戦争で米軍がいかなる犯罪を働いたかは米国はもちろんヨーロッパなどでもあまり知られていない。

 今回の訪問の目的は、米国と米国人によく知られていない戦争犯罪の事実についてより確証的な情報を収集し、米国政府に責任があるという事実を多くの人に知らせることだ。今回の訪朝で収集した資料を米国に持ち帰り、社会に広く紹介するための活動をしていくつもりだ。

 朝鮮で行われた米軍の犯罪はもっと広く知られるべきであり、米軍の蛮行を断罪する新たな法廷を設け、証言者の発言が公開されなくてはならない。

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