春・夏・秋・冬

 今日から4月。新入生や新入社員の初々しい姿が目につくきょうこの頃。年度始めには何かと行事も多い。金融機関では第一勧銀、富士、興銀が合併してみずほが誕生した。しかし、何といっても関心の的は今日からペイオフが解禁されることだろう。新聞やテレビを通じていやというほど情報が流れているので、その概要についてはご存じの向きも多いと思う

▼しかし、こうした問題で気をつけねばならないのは、憶測や風評による判断は避けるべきだということだ。例えば、金融機関が破たんした場合、あたかも1千万円までしか保障されないと思っている人もいるかもしれない。だが、これは「元本1千万円までとその利息は最低保障される」というのが正確だ。1千万円を超える部分については、破たんした金融機関の清算による配当に応じて払い戻される。傷みが少なければ全額戻る可能性もあると、専門家も指摘する

▼そもそも今回の措置は預金保険制度に基づいて施行されている。この制度は、万一の破たんの場合に預金者を保護することで、信用秩序を維持するのが目的だ。それに破たんというのは最悪のシナリオ。最も重要なのは、金融機関が健全経営を心がけることで破たんしないようにすることだ

▼こうした問題は、風評やセンセーショナルな報道に惑わされると、とかくパニックに陥りがち。絶対につぶれるはずがないと思われてきた銀行が破たんした当初は、預金者が押しかけ大騒動になった。そんな事態が2度と起きないよう、情報をきちんと整理して臨むべきだろう。(聖)

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