人・サラム・HUMAN
「亡き夫の願いかなえたい」
3人の子どもをウリハッキョに送り続けた・金みな子さん
15年前に在日朝鮮人の夫を亡くした金みな子さん(旧姓は増永、45、埼玉県川越市在住)。夫亡き後も女手一つで3人の子どもを朝鮮学校に通わせた。
夫の金正三さんと出会ったのはみな子さんが高校を卒業し、美容師になる夢を抱いて働いていた頃だった。将来への不安でいっぱいだった自分を親身に励ましてくれた金さんの優しさにひかれ、翌年に結婚。風習や文化の違いを乗り越えながら2男1女に恵まれ、幸せな家庭を築いた。 金さんが交通事故で亡くなったという悲報が一家を襲ったのは、1987年。当時、長男と次男は初級部、末娘の裕美さんはわずか3歳だった。 運命の暗転。専業主婦から一夜にして一家の大黒柱へ。しかしみな子さんはくじけず、ひるまず死に者狂いで働いた。 「子どもたちは民族教育を通して、朝鮮人としての誇りと在日同胞社会の温かさを学べたと思う。ウリハッキョに送って本当によかった」とみな子さんは振り返る。 この春、裕美さんが東京朝高を無事卒業し、15年間背負ってきた肩の荷をやっと下ろした。 つらい時、悲しい時にいつもそばで支えてくれたのは、埼玉西部支部のチング(友達)たちをはじめ埼玉初中教員、地域同胞だった。 「みんなに感謝の気持ちでいっぱい。これからもずっと同胞たちとともに歩んでいきたい」 英国、中国でも講演 東京大学助教授 高橋哲哉さん 昨年11月初めから今年の初めまでの約2カ月間、北京の日本学研究センターでの講義のため、中国に滞在した東京大学高橋哲哉助教授(45)。中国では盧溝橋と抗日戦争記念館にも足を運んだ。また、長春、瀋陽、ハルビンなど東北3省、南京へも出かけ、日本の侵略戦争と「偽満州国」の跡を訪ねた。各地での講演は10回にも及んだ。超多忙の日程の合間にはホロコーストの本の解説、映画「日本鬼子(ルイベンクイズ)」のパンフレット原稿など数本を仕上げた。 さらに今月上旬から英国日本学会の招きで、ロンドンヘ。「天皇制」をテーマにしたゲスト・スピーカーに呼ばれ、10日ほど英国に滞在する。 また、2年前に出版して話題となった「私たちはどのような時代に生きているのか」(辺見庸氏との対談・角川書店刊)を文庫にするために新たに辺見氏との対談も終えた。「闘う知性」と呼ばれる高橋さんには、当分、休息日は取れそうもない。 |