春・夏・秋・冬

 「農水省に重大な失政があった」。2日、BSE(狂牛病)調査検討委員会が発表した報告書は、政府の責任を厳しく断罪した。合わせて農水省、厚生労働省の関係者らが処分されたが、肝心の武部農水相は辞任せず。今後、批判が高まるのは必至だ

▼昨年9月、日本国内でBSE第1号が発見されてから、肉牛・畜産農家、そして牛肉を食材として扱う焼肉、ステーキなどの食肉関連業者が多大な風評被害を受けたことは、いまさら言うまでもない。とくに、同胞が多く携わっているのが焼肉店。「テロにあったようなもの」と嘆くチェーン店オーナーもいた。この間、経営が行き詰まり閉店を余儀なくされた人もいると聞く。その割には今回の政府関係者の処分はあまりにも甘いのではないか

▼さいわい、全国焼肉協会の発表によると、焼肉店の売り上げは、BSEの牛が見つかる前を超えるまでに回復してきているという。この間、新メニューの考案や焼肉祭りの開催、サービスデーの設置など、店側のさまざまな営業努力が実を結んだ結果といえる

▼そんな中、4月末から関東圏を中心に1都11県で開催される焼肉フェスタの準備が着々と進んでいる。一店舗では不可能な豪華賞品やスクラッチカードで集客に結びつけたいところだろう

▼この間、日本政府がやったことと言えば、全頭検査と特別融資の実施。しかし、この融資もハードルが高く零細な業者にはあまり効果がなかった。そうした現状を踏まえ、自分たちでアクションを起こすしかないと、業者関係者。これも「焼肉パワー」のなせる業。(聖)

日本語版TOPページ