茶の間に届くグロテスクな暴力

不正義正す抵抗精神こそ


 イスラエルのシャロンは、PLOのアラファト議長を「テロリスト」と呼び、イスラエルの無差別攻撃を正当化している。

 国際法上、何の合法性も有さない破壊と殺りくが映像で、茶の間に毎日届けられる。重火器で武装するイスラエル軍。そのグロテスクな暴力は誰の「安全」と「平和」を守ろうとするのか。前途ある青年たちの自爆攻撃しか、パレスチナ側にはもはや対抗手段が残されていない。先日、自爆攻撃で散った18歳の少女の死を嘆く母親の悲痛な叫びが胸をえぐった。

 少女の死は、3.1運動で日本軍の拷問によって、18歳で命を絶たれた柳寛順や日本の侵略に抵抗して武器を取って立ち上がった20世紀初頭の朝鮮の義兵たちを想起させた。

 日露戦争に勝利した日本軍は、いよいよ朝鮮半島全土で掃討作戦に乗り出し、「殺し尽くし、焼き尽くし、奪い尽くす」残虐な3光作戦を展開した。義兵の死者は当時でさえ1万8000人に上った。こうした不正義、不条理の上に築かれたのが韓国併合であったのだ。この時日本軍が試した3光作戦は、南京大虐殺や重慶爆撃にも引き継がれ、世界史上、類例を見ない2000万人の人々を殺りくした第2次世界大戦を誘発したのだった。

 あれから半世紀以上が経過した。しかし、経済のグローバル化の下に、富める者はますます富み、貧者はますます困窮にあえいでいる。

 アフガニスタンの数十万の人々を餓死においやり、パレスチナ人を半世紀も難民キャンプにとどめおき、移動の自由も故郷に帰る権利さえ奪い、虐殺し続ける事態。こうした暴力に抵抗し、絶対的な不正義を正すことは、人間の精神として許されるのだ。(粉)

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