第58回国連人権委員会・朝鮮代表の発言

植民地支配時の奴隷制「人道に対する罪」
日本にダーバン宣言の履行求める


 スイス・ジュネーブで開かれている第58回国連人権委員会(3月18日〜4月26日)で3月22日、朝鮮代表が発言し、昨年8、9月に南アフリカ・ダーバンで開かれた国連・「人種主義・人種差別、外国人排斥、関連のある不寛容に反対する世界会議」(ダーバン会議)の行動綱領に沿って、日本が1日も早く植民地支配の清算をするよう強く求めた。ダーバン会議では世界中の人権と人種差別が問題にされ、会議で採択された行動綱領と宣言には、過去の植民地支配時の奴隷制が「人道に対する罪」であることが確認された。朝鮮代表の発言は次の通り。

 昨年のダーバン会議で採択された宣言と行動綱領は、地球上にあるすべての人種、民族、種族の平等と発展を遂げようとする国際共同体の確固たる意志と決心を再確認した。

 朝鮮代表団は、この機会に南アフリカ政府と国連人権高等弁務官、そして同事務所が大会を成功裡に開催するために注いだ努力をもう1度評価する。

 われわれは、大会宣言と行動綱領に人種主義と人種差別を清算するための諸般の対策的問題が基本的に反映されたことを認めながら、大会結果の履行のため、国連人権高等弁務官事務所に人種差別問題を扱う部署が設置されるようになったことを歓迎する。

 大会宣言にも指摘されているように、過去の植民主義は、アジアとアフリカ、ラテンアメリカの絶対多数の国の人民たちにはかりしれない多大な被害をもたらし、その子孫にまで苦痛を強いている人種主義、人種差別、他民族排他主義とその他、不寛容の根源である。

 植民主義、奴隷制など歴史の不正義に対する正しい態度と徹底した過去清算なしに、その再発防止と明るい未来は期待できない。

 よって、過去の人種主義、人種差別行為を行った国家は、自らの責任を認め、被害を被った国家と共同体、個人に対する真正な謝罪と当然の補償と賠償を行わなければならない。

 朝鮮代表団はこのことと関連し、他民族蔑視と侵略に満ちた自らの過去の歴史を否定し、その清算を回避しようと執ようにたくらんでいる日本の反人倫的な態度と行為に注意を喚起する。

 20世紀初頭の40余年の間、日本は朝鮮を軍事的に強占し、その期間に強制占領した「創氏改名」政策と「内鮮一体」政策は、世界の植民主義の歴史上、類例を探すことができないもっともあくどい民族差別、民族抹殺政策であることは周知の事実だ。

 とくに日本は600万人の青壮年たちを強制徴兵、徴用で連行して100余万人を虐殺し、20万人の女性たちを日本軍の戦場に引き連れ、性奴隷生活を強いる前代未聞の反人倫的な犯罪を敢行した。

 過ぎ去りし日に世界の人民たちに災難を課した国々が過去をきれいに清算し、今日の世界平和と安全に寄与している良い例もあるが、唯一、日本だけは自分の反人倫的な犯罪の歴史を認めようとせず、それをわい曲し、美化粉飾しようとしている。

 ましてや日本当局が昨年の6月と8月、日本の過去の犯罪と関連した国際会議に参加しようとした朝鮮の非政府機構代表団の入国を不許可にしたのは、日本の他民族蔑視、差別の態度をみずからさらけだしたことになる。

 われわれは、日本が人種主義と侵略で彩られた過去を1日も早く清算することを強く求める。

 朝鮮民主主義人民共和国政府は、ダーバン会議の宣言と行動綱領を尊重し、誠実に履行することによって人種主義を清算するための国際社会の努力に積極的に寄与していくだろう。

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