春・夏・秋・冬

 既報のように今月初、林東源・青瓦台外交安保統一問題担当特別補佐役が金大中大統領の特使として平壌を訪問、共同報道文が発表された。民族の力で自主的に統一しようとの6.15共同宣言を順守していく、強固な意志の再確認である

▼この間、ソウルを訪れた知り合いの話によると、タクシーに乗っても飲み屋に行っても、北南問題に話題を転じると米ブッシュ政権に対する批判、怒りに満ちた声が噴出していたという。とくに「悪の枢軸」発言に対する反発は強く、あの発言は「ひとえに北のみならず、民族全体に対する冒とくであり、米国はいつまでも主人面するのか」、といった声があちこちで聞かれたと語る

▼南朝鮮は今、年末の大統領選挙に向けた与野党候補者選出の党内選挙で一色だが、反米意識の噴出はこの党内レースにも影響を与えているという。というのも、相手候補を蹴落とすために決まって持ち出されるイデオロギー問題が今回は、ほとんど通用していないというのだ

▼反共・保守のオピニオンリーダー朝鮮日報は、与党の最有力候補としてトップを走る盧武鉉候補に対する反共攻撃を続けているが、これに対抗する形で盧候補を支援する勝手連が各地に誕生。盧候補を押し上げる原動力になっているとも。その中心メンバーは、80年代に学生生活を送った60年代生まれの30歳、つまり「386世代」

▼大国に影響されない民族意識の強い世代ともいわれているが、最終目標は旧習にとらわれない世代交代、政治意識・風土の「近代化」にあるという。今後の動静に注目だ。(彦)

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