春・夏・秋・冬

 世界がきな臭い。米英軍のアフガニスタン攻撃が終ったかと思えば、今度はイスラエル軍によるパレスチナ自治区への侵攻。アラファト議長はイスラエル軍に監禁され、1歩も外へ出られない状態だ

▼「これは戦争だ」。ブッシュ大統領とシャロン首相はいみじくも同じセリフを吐いたが、「戦争」という名のもとに、一般人殺りくが正当化されているといっても過言ではない

▼私たちの住む日本の状況も危険水位まで来ている。有事法制関連3法案が閣議決定されたのだ。福田内閣当時の1977年から研究が始まり、81年と84年の2回その結果が公表されてきた。歴代内閣が立法化を見送ってきたにもかかわらず、小泉首相は初めて閣議決定にまで踏み込んだ。背景に、「9.11」以後、強硬路線を歩むブッシュ政権への追随があることは言うまでもない。

▼12日に設立発起人会を開いた「新拉致議連」の基本方針を見て驚いた。一時帰国した在日朝鮮人の再入国禁止、対朝鮮支援の全面凍結、朝鮮への送金禁止など、とんでもない項目が並んでいるからだ。中心となっているのは、戦争体験のない若手議員だというが、彼らは在日コリアンがなぜ日本に住むようになったのかさえ知らないらしい。さもなければ、「再入国禁止」などという発想は出てこないだろう

▼「武力攻撃が予測される事態も有事と定義」した有事3法案。小泉内閣は今国会での成立を目論むが、過去侵略を受けた朝鮮半島や中国から反発を招くのは必至だ。(聖)

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