春・夏・秋・冬

 5月に平壌で開かれる国際見本市に関する取材で東アジア貿易研究会を訪れた際、興味深い話を聞いた。ご承知の読者も多いと思うが、同研究会は1980年、国交のない朝鮮と日本の経済界との交流・貿易促進のために設立された機関。朝鮮に関する経済情報の日本企業への提供、ミッションの交流などを通じて、日朝双方の経済交流拡大のための諸事業を展開している

▼昨年は日本企業が見本市に初めてまとまって参加する際の窓口の役割も果たした。今回も独自のブースを設けるという。そんな関係から朝鮮の経済事情にも明るいが、同会によると今年9月にEU(欧州連合)が平壌で独自に見本市を計画しているという

▼ドイツ、イタリアを中心にEU諸国が朝鮮との貿易関係を強化しつつあるという話は、最近、あちこちで耳にする。今年2月に訪朝した東アジア貿易研究会の澤池理事長によると、イタリアやドイツの企業が多く出入りしているという。一説ではドイツがビール工場を建てる計画もあるとか。最近竣工式が行われた平和自動車総合工場もフィアット社が関係しているという話だ。朝鮮国際貿易促進委員会の目も、いまや欧州や東南アジアに向いているという

▼今年からユーロを導入し通貨統合を果たした欧州。陸続きという地の利を生かして壮大な国家間の統合を進めている。市場拡大にともない経済効果も果てしなく広がっている

▼日本にいるとあまり見えてこないことだが、世界に目を向ければ、朝鮮が各国との経済関係を促進するために大きな努力を傾けていることがわかる。(姫)

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