取材ノート
同胞の環境変える学校交流
ウリハッキョが、同胞らの心のよりどころであることはいうまでもない。そのことを、最近のある取材を通じて改めて感じた。宝塚初級が4月から伊丹初級と統合するのと関連し、3月末に日本市民が企画・主催したチャリティーコンサートだ。日本市民が朝鮮学校の統合と関連して、こうした企画を立てるのは全国でも珍しい。
同地域では20数年前、朝鮮解放後から日本市民が抱いてきた朝鮮人に対する差別意識を解消しようと、日本の中学校生徒が宝塚初級を訪問したのをきっかけに、朝・日交流が始まった。そのことから朝鮮学校は友好のシンボルとして位置付けられるようになった。同校が全国でもトップクラスの助成金を得られるようになり、宝塚市議会議員全員が日朝議員連盟に加盟していることをとってみてもそのことがわかる。 同胞が集団的に暮らしていた広島県安芸郡海田町にあった広島中高(現・初中高、広島市東区)では、日本市民らの民族排他意識を解消しようと、30年前に「朝鮮語」の授業を取り入れた日本の高校との交流を始めた。結果、生徒はむろん、父母、地域住民らの意識をも変えることになった。朝鮮人にはアパートすら貸さないといった民族差別も解消されるようになったという。 こうして見ると、日本人が朝鮮学校に足を踏み入れ、肌と肌のふれあう交流を行うことは、同胞たちの生活環境にも変化をもたらす。そこで近年、朝鮮学校を日本市民に公開するケースが増えてきた。大阪では6月に朝鮮学園一般公開月間を設け、府下12の学校で公開授業を行う。 日本市民と朝鮮学校とのこうした交流はすべての学校で行われている。だから朝鮮学校は、同胞らの「顔」であり、草の根運動の「根」なのである。同胞らの心のよりどころである学校があってこそ、同胞社会の明るい未来があることを再確認している。(基) |