みんなの健康Q&A
ストレス(下)−対処法
自分なりの対処法を見つけるのがコツ
Q:頭痛や肩こりもストレスと関係があると聞きましたが、本当ですか?
A:人はみな頭痛や肩こりを持っているといえますが、ストレスにさらされると筋肉の血液循環が悪くなり、持続的な筋緊張のためさらにひどくなります。 Q:人ごみの中などで、急に息が苦しくなる発作を過呼吸症候群というそうですが、どのようなものなのですか? A:正式には過換気症候群と呼びます。この病気は、思春期から中年にかけての女性、特に20歳ぐらいまでの女性に多い病気です。心理的な圧迫があった時に、突然息が苦しくなり、空気が足りないように感じて、呼吸を深く速くしてしまうのが特徴です。肺が悪いわけではないので、異常にハーハーすると血液中の炭酸ガス分圧が下がり血液がアルカリ性にかたむきます。その結果、頭がぼーっとしてきて、めまいや手足のしびれを感じるようになります。アイドルタレントのコンサート会場で、ファンの女の子が次々に失神するのはこの過換気症候群によるものと考えられます。 Q:過剰な興奮状態におちいるわけですね。 A:そうです。 呼吸器に関してさらに重要なのは気管支喘息です。この病気は一般的には気道の過敏性が原因で引き起こされることが多いのですが、ストレスによる心理的な要因でも発症します。もともと気管支喘息にかかっている人が、心理的な要因から発作が強まるということもあります。 気管支喘息をはじめとして、俗にいうアレルギーもストレスが大いに関与しているのですよ。 Q:いろいろストレスとそれに関連する病気についてお話しをうかがってきましたが、最後にストレス病にかからない方法とかかった時の対処法について教えていただけますか? A:ストレス病にかからない1番の方法は、なるべくストレスのもととなる物や人、環境から距離をおくことです。しかし、実際はなかなか難しいですよね。 例えば、心身ともに疲労気味だと感じたら、逆にストレスを気力の発奮材料にするよう、生活の質・目標を真面目に問い直すのも良いかもしれません。 家庭では、自分ひとりの時間を持ちたいものです。一見無駄な時間を設けることで、他の時間がより有効に使えるようになるかもしれません。 音楽でも登山でも、ささやかなことでいいから仕事のことは忘れて、自分なりにぜいたくをする時間を持つことも大切です。 ストレスから食べ過ぎ、飲みすぎになる人が少なくありません。飲食以外に何かうちこめる趣味を持ちたいものです。 Q:ふだん心身をリラックスさせる方法があったら、教えていただけますか? A:手足の力を抜いて心身の緊張を解く簡単な訓練法として自律訓練法というのがあります。 ベルトやネクタイなど身体を締め付けるようなものはゆるめ、ゆったりした椅子にすわるかベッドに仰向けに寝て、両足を少し開いて身体の力を抜き、目と口を軽く閉じます。そして、深呼吸しながら「気持ちがとても落ち着いている」と心の中で繰り返します。これが、はじめの基本姿勢となります。 基本姿勢がとれて気持ちがゆったりと落ち着いたらいくつかのイメージ訓練をします。まず、両手両足が順々に重たくなると暗示をかけ、そういう感覚にひたります。次いで、両手両足が温かい、心臓の鼓動が規則正しく打っている、楽に呼吸している、おなかが温かい、そして、額が気持ちよく涼しい、といった順番にイメージをしていきます。ここまで終えたら、筋肉の緊張と意識を取り戻すための消去動作(両手を握ったり開いたりする、ゆっくり大きく伸びをしてから目を開く)を必ず行いましょう。 Q:何か良い治療薬はないのでしょうか? A:いわゆる精神安定剤にしても必ずしも特効薬にはなりません。もちろんこのような薬剤は医師との相談の上でないとやたらと服用すべきではありません。 ともかく、その人その人によってストレスの原因、その感じ方や症状が異なるわけで、自分なりのストレス対処法を見つけ出すことが必要です。(東京都足立区平野1―2―3、TEL 03・5242・5800) |