超党派の国会議員ら国際フォーラム
「過去を共通の認識に」
日本の戦争犯罪資料公開 「図書館法」改正を
国際フォーラム「21世紀を平和と友好、信頼と共生の時代とするために!」が4月16日、東京・永田町の衆議院議員第2会館で開かれた。日本の戦争犯罪資料の公開を求め「国立国会図書館法の一部を改正する法律案」を推進する馳浩(自民)、浜四津敏子(公明)、石毛^子(民主)、木島日出夫(共産)、大脇雅子(社民)、田中甲(尊命)ら超党派の国会議員が呼びかけたもので、緒方靖夫参院議員(共産党)ら20余人の国会議員のほか、同様の法案が成立した米国、成立めざす南朝鮮から国会議員や専門家が招かれた。
調査局の設置を フォーラムでは「有事法制が憂慮される今、過去の事実を共通の認識にしたい」(石毛議員)、「今国会で審議に入るべきだ」(同法案を審査する高木義明・議院運営委員会図書館運営小委員会委員長、民主党)などの発言が相次いだ。
米国では昨年3月、第2次世界大戦中の日本関連記録を公開する「日本帝国政府情報公開法」が成立。作業部会が発足し、米政府が所蔵する第2次世界大戦関係の秘密資料の全面公開を目指し、調査が続けられている。 米国の状況について説明した荒井信一・茨城大学名誉教授は、公開される資料は最終的に20万ページになり、すでに公開された資料には「戦後の日本政治の機微に触れるような物が含まれている」と評価した。 そして、これらの資料が利用できるように日本の国立国会図書館が同資料のコピーを所蔵する必要があると指摘。調査法が3年の時限立法である点からしても、その受け皿としての恒久平和調査局の設置が急がれると強調した。 南でも法案作り 南朝鮮でも昨年11月、植民地下における強制連行、強制労働などの真相調査を求める「日帝強制占領下強制動員被害真相究明などに関する特別法案」が69人の議員によって提出されている。 法案制定の中心メンバーである金元雄・国会議員、張完翼弁護士は、米国同様日本、南朝鮮で真相究明を促す法律を実現し、日本による加害の実態を突き止め、再発防止策を追求したいと語った。 また南において、戦争責任を回避する日本に対し、疑問を呈する若い世代が増えている事実なども紹介した。 ほとんどが非公開 解放前、警察や朝鮮、台湾総督府などを管かつした旧内務省の資料は、そのほとんどが今も非公開だ。日本政府は組織的、意図的に隠ぺいしてきた。 総務省(旧自治省)には旧内務省の膨大な資料などが放置されているといわれ、それらの資料を積み上げると、高さ2万メートルになるともいわれている。 米国の情報公開法成立に関わったアブラハム・クーパー・米サイモン・ヴィーゼンタールセンター副館長は、「なぜ日本が過去の資料を隠しだてするのか理解できない」と疑問を呈しながら「戦争中の文書を国会のイニシアチブによって公表し、すべての人がアクセスできるようにすることは、遅きに失したとはいえ、日本の道徳を示すことになり日本の利益になる」と早急な資料公開を訴えた。(張慧純記者) 【国立国会図書館法一部改正案】 国立国会図書館に「恒久平和調査局」を新設し、満州事変(1931年)から日本の敗戦(45年)までの間に行われた日本による戦争被害を明らかにしようというもの。調査対象は、日本人を含めた外国人に対する徴用、性的行為の強制、生物化学兵器の開発など日本の戦争問題全般を網羅している。2000年11月に鳩山由紀夫(民主)、不破哲三(共産)、土井たか子(社民)、田中甲氏ら6人の議員が提出。超党派の162人が賛同者として名を連ねている。 |