スタジアムに広がる民族史の大絵巻

大マスゲーム・芸術公演「アリラン」開幕


 【平壌発=本社取材団】 内外の大きな関心と期待のなか、大マスゲーム・芸術公演「アリラン」の対外初公演が4月29日、平壌市内のメーデースタジアムで幕を開けた。今後6月29日まで、計54回の公演が予定されている。

 外国人観光客と海外同胞の熱気でわき返るなか行われた「アリラン」には、朝鮮の著名な芸術家、青少年・学生、全国から選抜された勤労青年10万人が出演。朝鮮の民謡「アリラン」をモチーフに、朝鮮民族史の大叙事詩的絵巻がスタジアム中に広がった。

大マスゲーム・芸術公演「アリラン」(メーデースタジアム)

 公演を見た外国人観光客たちは、口々にそのすばらしさを称え、作品のスケールの大きさに驚きを隠さなかった。

 マスゲームを見るのは初めてという熊本県の田中純一さん(50)は、「とてもすばらしい公演だった。統一問題に関するテーマがよく反映されていて、感動した。朝鮮の人々が戦争ではなく平和的方法による自主的統一を望んでいることをあらためて確認できた」と語った。

 日本から来たというサウジアラビア人エンジニアのマジェット・アルクリフィさんは、「今まで見てきたなかで最もすばらしい芸術公演だ。もう少し平壌に滞在できるならあと10回は見てみたい」と語りながら、「朝鮮のことを危ない国、『悪の枢軸』、テロ国家などとするメディアが少なくないが、私は決してそうは思わない。彼らは朝鮮の本質をよくとらえていない」と悪意に満ちた朝鮮報道を批判した。

 ダグラス・ブローデリックWFP中国駐在事務所代表も、「アクロバティックな踊りと背景台が印象に残った」「この国の人たちは素直で才能あふれる人たちが多い」と述べた。

 「アリラン」対外公演が始まり、平壌は世界各国から訪れる観光客を迎える祝典都市へと様変わりしている。ホテルをはじめとする宿泊施設、各種サービス施設も整えられている。外国人観光客は滞在期間、平壌市内をはじめとする各地の観光名所も見て回る予定。

 外国人観光客の公演観覧準備のために、すでに3月から世界各国の観光考察団が平壌を次々訪れた。「アリラン」公演準備委員会によると、観覧ツアーへの予約は増え続けているという。2カ月の公演期間、外国人観覧者のために準備されたチケットの約半数がすでに売り切れたという。

 「アリラン」は、序章と終章、そして「アリラン民族」「先軍アリラン」「アリランムジゲ」「統一アリラン」の4章からなる。華麗な舞台と多種多様に変化する大型背景台、スポットライトやレーザー光線などを駆使した特殊効果が調和し、神秘的な光景が広がる民族情緒あふれる公演となっている。

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