経済協力推進委員会会議が見送り

北南関係は自主の精神で
求められる南の責任ある措置


 南の崔成泓外交通商部長官の米国での発言をめぐり、7日にソウルで予定されていた北南経済協力推進委員会第2回会議が中断された。4月23日付のワシントン・ポスト紙は、崔成泓長官が米国で「(米国の)強硬策が、時によっては北を前進させるのに効果を発揮する」と発言したと報道。慌てた南側外交通商部は長官の発言が曲解されたと釈明した。これに対し北側の祖国平和統一委員会、北南経済協力推進委員会北側代表団がそれぞれ声明を発表、北南経済協力推進委員会第2回会議の開催が見送られた。

6.15と共同報道文に逆行

 北の祖国平和統一委員会は4月28日の声明で、米国の対朝鮮強硬圧殺政策により凍結状態に陥った北南関係が回復し対話と接触が再開されたのは、民族の問題を外勢に依存することなくわが民族同士で自主的に解決していこうとする北の確固とした意志と誠意ある努力の結果であるとしながら、「にもかかわらず、南の外交通商部長官なるものが米国を訪れ、北南関係が回復しつつあることがさも米国による『力』の政策の結実であるかのように言うのは、対話パートナーに対する許すことができない冒とくであり、挑戦である」と批判した。

 一方、北南経済協力推進委員会の北側代表団も6日声明を発表し、このような背信的な行為が北南関係に与える影響の重大性について指摘しながら、南当局が6.15共同宣言の精神に沿って北南関係を本当に進展させようという立場であれば、外交通商部長官の行為に対して謝罪すべきであり、納得できる措置を取ることを要求してきたにもかかわらず、なんらの措置も取られなかったことで第2回会議を予定通り開催できなくなったことを遺憾に思うと指摘した。

 問題の発言と関連して南の外交通商部は6日、「崔長官がすべての問題を韓米両国が対話で解決しなければならないという点を強調するため、『大きな鞭を持っていても物腰は柔らかく話せ』というルーズベルト大統領の話を引用した」としながら、「崔長官がまるで米国の対北強硬策を支持したかのような報道はまったく曲解されたもの」と釈明した。

 事の真偽は定かではないが、ブッシュ政権発足後、南が米国の対朝鮮強硬策によって翻弄され、米国に対し断固とした態度を示すことができなかったのは周知の事実であり、そのような南の態度が南北関係をこう着状態にしたことは言うまでもない。

 そもそも6.15共同宣言や4月5日の共同報道文の基本精神は統一問題をわが民族同士で自主的に解決するというものだ。北はこの精神に沿って終始一貫、南に対して自主の道に進むことを要求してきた。崔長官の発言はいずれにせよ北に対する米国の「大きな鞭」をけん制、諌めたものとは受け取りがたく、北が責任ある措置を取るよう南に要求しているのは当然のことと言えよう。

 北南経済協力推進委員会の北側代表団は声明で「われわれは引き続き南当局の責任ある措置を見守っている」と指摘した。ボールは南側に投げられたのだ。

さまざまな分野で交流

 経済協力推進委員会会議は開催されなかったものの、4月28日から5月3日まで2回にわたり、長らく中断していた離散家族・親せきの面談が金剛山で行われたのをはじめ、北南間の交流はさまざまな形で実を結んでいる。また、国会議員で韓国未来連合創党準備委員長の朴槿惠氏が11日から平壌を訪問することが決まった。朴氏はこれまで「国家保安法」の維持など北南関係をはじめとするさまざまな面で保守と言われてきた。その朴氏が平壌を訪問することで北南関係が新たな展開を見せる可能性もある。

 一方、3日から平壌で行われた日本の過去の清算を求めるアジア地域シンポジウムでも北と南、海外団体の共同声明が発表され、日本の過去の清算を強く求めた。

 今回の経済協力推進委員会会議の中止により、以後予定されている南北間の交流は一時、停滞する恐れがある。しかし、北と南は大勢では統一への道を1歩ずつ着実に進んでおり、この流れを止めることは誰にもできない。

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