投稿 「ローザンヌ・バレエコンクール」を見て

輝かしい才能に拍手

最優秀賞の崔由姫さん


 先日テレビで第30回ローザンヌ・バレエコンクールを見る機会を得た。

 若きダンサーの登竜門として名高い、世界屈指の名門コンクールである。

 毎年、期待に胸膨らませ楽しみにしている私ではあるが、今回のコンクールには特別な思いがあった。

 世界各国から選び抜かれた15〜18歳までの若きダンサーたちが、予選・決選と勝ちぬき、最後の決選には15人までに絞られる。決選に勝ち残っただけでも才能・技量・芸術性・個性、全て評価されたと言っても過言ではない程レベルの高いコンクールである。

 毎年ヨーロッパ勢が占めるこの15人の中に、今回在日同胞である崔由姫さんが共和国の代表として残ったのである。また、その中には「韓国」のダンサーも4人いた。

 毎年欠かさずテレビでコンクールを見てきた私にとっては初めての現実であった。

 結果、スカラーシップ賞第1位とコンテンポラリー最優秀賞、この2つの賞を共和国代表として参加した崔由姫さんが獲得し、審査員の評価を一身に受けたのである。本当に誇らしいことである。

 彼女の若く輝かしい才能の前では、差別も偏見も政治や理念の違いも何の意味も持たなかったのである。

 私自身、画面を通じてではあるが、これからの新しい時代を目の当たりにした思いだった。

 これからも崔由姫さんには、朝鮮民族の誇りを胸に観客の皆様に夢と希望、勇気と力を与えられるダンサーになって頂きたいと心から願う。

 崔由姫さんの素晴らしい才能に拍手、また人知れず積み重ねた努力に拍手。彼女を指導、育成された先生方に拍手。最後に、彼女を産み、育て、支え続けて来られた御両親に、心から大きな拍手を送りたいと思う。(兵庫県 崔民世=投稿)

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